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 平成28年度町政執行方針

                                                        −平成28年3月3日−

 はじめに

 平成27年芽室町議会定例会3月定例会議の開会にあたり、平成28年度町政執行の基本方針並びに重点施策を申し上げます。


 経済情勢と
 総合計画実現
 に向けて

我が国の経済情勢は、緩やかな回復基調にあるものの、
個人消費や生産活動の低迷もあり、安倍首相は、アベノミクス第2ステージとして、新たに「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の新・三本の矢を掲げ、経済成長と分配の好循環を強固なものにする取組を進めています。
その実現に向けた「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」として、デフレ脱却を確実なものとし、足元の景気をしっかり下支えするため平成27年度補正予算を成立させましたが、過去に類を見ない金融政策に対する円高株安といった逆反応や、実質GDPがマイナスに転じるなど、景気回復の実感には至っていません。

それら現況のもと、本町の経済状況を見ますと、原油価格の下落により家計支出が軽減されているものの、物価の緩やかな上昇基調に、個人所得が追い付いていない状況にあり日常生活は依然厳しいものと考えております。

このような経済情勢の中、町民の皆さんが地域において安全で安心して暮らし続けるために、「第4期芽室町総合計画の将来像」実現を目指し、「後期実施計画」という明確な指針に基づき、中長期的視点に立脚した、経済・雇用・生活の安定対策を計画的に確保することが、本町の重要な役割と認識し、予算編成したものであります。

それでは、第4期芽室町総合計画のまちづくりの5つの基本目標ごとに、重点施策を申し上げます。


 誰もが健やか
 に生き生きと
 暮らせる
 まちづくり

まず、1つ目の「誰もが健やかに生き生きと暮らせるま  ちづくり」であります。
施策の「生涯を通じた健康づくり」では、乳幼児・児童・高齢者の予防接種費用の助成に、子育て支援の観点から中学3年生と高校3年生を対象にインフルエンザ予防ワクチン接種費用の半額助成を創設するとともに、節目年齢の国民健康保険加入者の特定健診自己負担金の減免を継続し、疾病予防を進めます。また、健康ポイント制度は健康目標達成者に対する特典に運動施設利用券を追加し、健康づくりへの積極的な参加を促進します。

「公立芽室病院の総合的な医療体制の維持・発展」では、診療機器の計画的更新を進めるとともに、この度、大きな成果を見た医師・看護師確保も含めた医療体制の維持と充実には、新年度も全力をあげて取組みます。

「安心して生み育てることができる子育て支援」では、保護者の経済的負担を軽減するため、乳幼児等医療費助成の対象を中学生まで拡大するとともに、多胎児世帯を対象としている育児サポートシステム利用料助成に非課税のひとり親世帯を加え、子どもの貧困対策にも対応します。また、出産の希望を叶えるため、妊婦健診自己負担実質ゼロ政策として超音波検査の対象回数拡大と、不妊治療費助成に流産や死産を繰り返す不育症治療を加えます。なお、子育て支援の主要施策である 発達支援システムについては、早期発見から青年期支援・就労支援まで一貫性と継続性のあるサポートを引き続き充実します。

「児童福祉の充実」では、認可保育所入所定員を超える利用申し込みが引き続き予想されることから、他の保育施設や幼稚園を紹介し、それに伴う保育料の差額や民間認可外保育施設の運営費に対する助成を継続することで、「待機児童ゼロ」を維持するとともに、第2子以降出産時における在所児の継続入所期間を1年から3年に拡大します。
また、「農村地域保育所の今後のあり方に関する基本方針」に基づき、上美生保育所の保育時間を認可保育所と同様にします。
さらに、現在、建設中の「めむろ子どもセンター『あいりす』」では、4月1日から芽室小学校区を対象とした児童館と児童クラブを統合し開設するとともに、保護者要望を踏まえ、児童館・児童クラブの利用時間を延長し、子育てしやすく保護者が安心して働ける環境づくりを図ります。

「高齢者福祉の充実」では、介護保険制度改正に対応するため、町の総合事業とした訪問型・通所型サービスを継続するとともに、利用者の介護予防ケアプランを作成します。また、地域包括ケアシステムの取組みでは、新年度を「地域包括ケア元年」と位置付け、高齢者体力増進教室や機能訓練教室、介護予防ポイント推進事業を継続実施するとともに、新たに、認知症施策として初期集中支援チームと認知症地域推進員の設置をはじめ、介護予防に資する取り組みを自ら企画運営する団体への支援や的確なアセスメントに基づくケアプラン作成支援を実施し、介護予防を充実します。さらに、生活支援コーディネーターを設置し、行政サービス(公助)、地域住民活動(互助)、高齢者自身の活動(自助)の全体調整と互助活動団体を支援します。

「障がい者の自立支援と社会参加の促進」では、町業務における職場実習と就労体験を継続するとともに、就労継続支援A型事業所への支援、障がい者の一般就労への移行・定着に向けて、職域開拓・受入企業支援・マッチング・定着支援などの業務を中間支援団体に委託し、障がい者雇用の拡大を目指します。


 豊かな自然を
 生かした活力
 ある農業の
 まちづくり

次は、2つ目の「豊かな自然を生かした活力ある農業の  まちづくり」であります。
施策の「担い手育成と農業支援」では、TPP(環太平洋経済連携協定)の協定書署名を踏まえた対応として、政府のTPP対策を的確に把握・管理するともに、引き続き農業関係機関と本町が組織する芽室町農業再生協議会による情報共有と適宜対応を進めます。
また、輪作体系上、欠かすことのできない作物である「てん菜」の作付面積を維持するため、てん菜作付奨励総合対策事業を継続実施するとともに、近年の風雪害防止と農村景観維持のため、新たに耕地防風林の植栽・枝払いに要する経費の一部を助成し、耕地防風林の保育・造成を支援します。畜産部門では、政府のTPP対策を傾注するとともに、畜産周辺環境総合整備事業を継続実施し、家畜伝染病の感染・蔓延の防止対策を推進します。

「農業生産性の向上と農業の応援団づくり」では、関係機関と設置する芽室町有害鳥獣対策協議会への支援と、狩猟免許を持つ有害鳥獣駆除員によるパトロール活動を継続するとともに、残滓処理施設の運営を継続し、農作物に対する被害の未然防止に努めます。また、帯広畜産大学と共同で野生動物の生態研究と侵入防止策の効果検証を進め、予防対策と効率的な捕獲体制の構築を目指します。さらに、小学生を対象とした、めむろ農業小学校と地産地消バスツアーを継続実施し、食育の推進や地産地消・消費拡大を図り、地元の皆さんに愛される農業の応援団づくりを進めます。

「農地・土地改良施設等の整備・充実」では、公社営  草地畜産基盤整備事業を継続実施し、草地・畜舎等の畜産生産基盤を整備し飼料自給率の向上を目指します。また、道営土地改良事業を継続実施し、畑地かんがい・暗渠排水などによる畑作生産基盤の整備と営農用水事業を活用した無水源地域などの飲用水対策を進めます。なお、国営美蔓地区土地改良事業完了に伴う地元負担の償還が始まりますが、金利負担を軽減するため全額繰上償還を行います。
 
「地域内循環の推進と商工業の振興」では、「買い物スタンプカード事業」と「まちなか縁側プロジェクト事業」を継続実施し、中心市街地の賑わいを促進します。また、女性向け起業セミナーを開催し、女性の就労や起業の希望を叶えるきっかけづくりを進めるとともに、芽室東工業団地の造成工事を進めます。なお、中小企業融資事業は、融資希望が多いことから金融機関における協調融資倍率を拡大し融資枠を広げ、利用が好調であることから、利子補給金・保証料補給金をそれぞれ増額し、中小企業の経営安定及び雇用安定を目指します。

「地域資源を活用した観光の振興」では、芽室町外の個人の方からの寄附に対して本町特産品を贈呈する「ふるさと納税特典贈呈事業」を継続し、本町のPRを目指します。また、新嵐山展望台からの風景を生かした「天空カフェ」を継続し、交流人口の増加と農畜産物のPRを促進します。


 快適で安全
 安心な暮らし
 を支える
 まちづくり

次は、3つ目の「快適で安全安心な暮らしを支えるまちづくり」であります。
   
施策の「災害に強いまちづくりの推進」では、災害時には町内会などの地域活動は極めて重要であることから、新年度も町内会等の自主防災組織の設立や運営支援などを継続するとともに、応急給水活動の耐震性貯水槽整備や、指定避難所に防災対策用資機材と非常用食料・飲料水の備蓄を進めます。また、避難場所への誘導サイン設置を計画的に進め、豪雨・地震・火災などの災害から町民の生命・財産を守る取り組みを進めます。また、建築物の耐震化を促進する「芽室町耐震改修促進計画」を見直します。

「消防・救急の充実」では、平成28年4月1日から「とかち広域消防事務組合」の運用が始まり、指令系統や出動範囲や体制に変更が生じますが、地域住民の生命と財産を守ることに変わりはなく、体制の維持と円滑な運営移行を進めます。また、消防団については、設置者が芽室町に移行しますが、引き続き資機材の整備等を進め消防団の管理運営を図ります。

「有効な土地利用の推進」では、緑町公営住宅跡地の第2期宅地分譲が本格的に始まる予定であることから、子育て世帯新生活応援奨励制度を継続するとともに、新たに、中古住宅を購入し定住する方に対し奨励制度を創設し、空き家解消と定住促進を充実します。

「快適な住環境の整備」では、「芽室町公園施設長寿命化計画」に基づき4公園の老朽遊具を更新し、また、公営住宅等長寿命化計画に基づき、西町団地のうち2棟8戸の外壁・屋根・建具の長寿命化型改善工事を継続実施するとともに、既に住宅ストック目標を達成している「芽室町公営住宅等長寿命化計画」を見直します。

「道路交通環境の整備」では、交通弱者の移動手段とし運行しているコミュニティバス(じゃがバス)は、バス停留所を一部追加し利便性の向上を図ります。道路新設改良は、市街地、郊外地とも優先度・緊急度の高い路線を選択し、舗装・改良工事を行います。また、公共土木施設(道路)の効率的なパトロールと維持修繕を目指した、包括的委託の業務を拡大し、パトロールの的確な実施と異常・危険個所の早期修繕を目指します。

「景観の保全とクリーンエネルギーの推進」では、一般住宅の太陽光発電システム導入にかかる費用助成を継続するとともに、街路樹の剪定枝や支障木を資源化し域内循環を目指した、シニアワークセンターとの協働による木質ペレット製造事業を継続し、北海道立総合研究機構と本町が共同研究を進めている農業用廃プラスチックの再資源化の研究を継続します。また、「芽室町公共サイン整備計画」に基づき、老朽化により機能低下した住所表示板などの更新を進めます。なお、家庭ごみの分別収集に利用いただく可燃ごみ袋は、7.5リットルサイズを廃止し、5リットルサイズと10リットルサイズを新設し、家族構成の変化に対応します。

「上下水道の整備」では、上水道、簡易水道、公共下水道など各施設の老朽化に対応する更新計画に基づき、長寿命化の視点から更新工事を実施し、ライフラインの確保に努めます。


 個性的で心
 豊かな人と
 文化を育む
 まちづくり

次は、4つ目の「個性的で心豊かな人と文化を育むまちづくり」であります。
施策の「学校教育の充実」では、芽室西小学校体育館の老朽改修を実施するとともに、火災により焼失した芽室南小学校の屋外倉庫建設など小学校施設の整備を進めます。また、芽室中学校の野球場バックネット改修及び芽室西中学校の屋外トイレ建設など中学校施設の整備を進めます。なお、学校給食センターの設備老朽化に伴い、低温真空冷却装置を更新し、安全性の高い学校給食を提供します。

「生涯学習の推進」では、成年期から高齢期の方を対象に、「どんぐりカレッジ」「シニアライフカレッジ」「ウーマンカレッジ」を継続実施し、生涯学習の体系化と充実を図ります。

「スポーツしやすい環境づくり」では、全国ジュニアゲートボール大会出場校などジュニア世代(高校生)チームを対象とした、発祥の地ゲートボール合宿等実施事業を継続し、地元高校生との交流、発祥の地の啓発とゲートボールの普及振興を目指します。また、消耗が激しい健康プラザの人工芝を全面張り替え、利用者の利便性の向上を目指します。



 町民が主役
 となった自
 治に基づく
 まちづくり

次は、5つ目の「町民が主役となった自治に基づくまちづくり」であります。
施策の「地域活動の推進」では、すでに解体した緑町生活館と同一地区に所在し老朽化が進んだ西地区コミュニティセンターを「芽室町公共施設等総合管理計画」と「地域集会施設再整備基本方針」に基づき統合し、新たに西地区コミュニティセンターを建設し、地域コミュニティの更なる醸成を目指します。また、地域課題の解決を住民自らが創出・企画する活動や、住民活動を振興する団体活動支援を継続するとともに、住民活動の支援組織として町民活動支援センターの運営を継続し、住民と行政との協働によるまちづくりを目指します。

「効果的・効率的な行政運営」では、総合行政システムのサーバーをクラウド化(データセンター移行)し、セキュリティ対策と災害時の継続運用を目指します。

「親切・便利な行政サービスの推進」では、住民や関係団体との意見交換を基本に役場庁舎建設基本計画を策定します。

 その他

次は、「その他」として、選挙事務において、じゃがバスを利用した期日前投票の方に運賃を助成するとともに、帰宅用に貸し切りバスを運行し、投票率向上を目指します。また、「芽室町議会ICT計画」に基づき、タブレット端末を導入し、ペーパーレスの推進と専用アプリによる議員活動を支援します。なお、東日本の被災地から本町へ避難されている方々への支援を継続するとともに、被災地支援として宮城県山元町へ職員派遣を継続し、東日本大震災復興支援を継続します。

 まとめ

 以上、第4期芽室町総合計画の基本目標ごとに重点施策を申し上げましたが、平成27年国勢調査の速報値では、本町の人口は18,478人となり、人口減少が現実のものとなりました。
私は、従来の考え方を転換し、本町の人口を維持するためには、現在、芽室町に住まれる方がいつまでも住み続けられるようなまちづくりが重要であると考え、住民生活に密着した事務事業を磨き上げ、小さな改善を積み上げた予算としたところであります。

また、冒頭申しあげた「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」に基づく国の補正予算や北海道による事業費調整に関連して、「年金生活者等支援臨時福祉給付金支給」、「公社営草地整備事業」、「道営土地改良事業参画事業」、「芽室西小学校体育館改修」、「河北及び雄馬別地区営農用水整備事業」について、平成27年度補正予算として提案し、繰越明許費として平成28年度に事業を実施しますが、これら事業は重点施策に加え、各施策の充実強化を図ってまいります。
さらに、同じく国の補正予算に関連した地方創生加速化交付金に、「農福連携を活用した障がい者の生涯活躍のまちづくり推進事業」と「まちなか賑わい創出事業」を申請中であり、採択されましたら平成27年度補正予算に計上する考えであります


 平成28年度
 予算の概要

 ここで、平成28年度予算案の総括的概要について申し上げます。

 一般会計ほか、7つの特別会計、2つの事業会計を合わせた予算総額は、210億5,548万円となり、前年度206億7,438万円と比較し、1.8%の増となりました。
一般会計予算総額は、116億6,000万円で、前年度比7億円の増でありますが、特殊要素として、先ほど申し上げた国の補正予算を活用し、平成27年度予算の繰越明許費で実施する事業の3億6,446万円を加えると、実質予算額は、120億2,446万円となり、前年度の実質予算額135億660万円と比較すると11.0%の大幅減となります。
一般会計の歳入の個人町民税では、農業所得において過去最高の農業粗生産額(296億円)を記録したものの、農業資材価格の高止まりや農業機械の更新を見込みながら、粗生産額の伸びまではいかないものの、一定の伸びを予測したものであり、給与所得も微増と見込まれます。また、固定資産税は大手企業の設備増強による償却資産の増が見込まれ、町税全体では前年度当初予算額と比較すると、約7,100万円増と見込みました、しかし、歳入の3割強を占める地方交付税のうち普通交付税は、個別算定基礎を本町に当てはめた当初予算比では2.1%、7,000万円の減、交付実績比では約5.2%、約1億8,000万円の減と見込まれ、財政調整基金を2億5,000万円取り崩し、一般財源を確保することになりました。

一方、歳出では、公共施設等総合管理計画に基づく西地区コミュニティセンターの統合建替えや芽室西小学校体育館の老朽改修など公共施設の統合と維持保全を本格的に始めることとなりますが、めむろ子どもセンターの本格的運用や地域包括ケアシステムの一部事業開始など、ソフト事業の充実強化を主体とした予算編成としました。

平成28年度は、本町における長期的まちづくりの指針である、見直し後の第4期芽室町総合計画、芽室町まち・ひと・しごと創生総合戦略、芽室町公共施設等総合管理計画のスタートの年であり、その一部に着手することにもなります。これら要素から、本年度の予算は、「地方創生の視点を重視した予算」として編成したものであります。

地方自治体の行財政環境は、今後も厳しさを増すと考えております。今日、足元に存在する課題を考察してみますと、町民の皆さんの生活の中で一番の懸念事項は日常生活の中で景気回復が実感できないことであります。町としてできる経済対策にあっては、迅速に対応していくことを念頭に、国・道の動向や地方自治制度の改革情報を把握し、迅速で安定的な行財政運営を目指してまいります。



 むすびに

 以上、私の所信とともに、町政執行の基本方針及び重点施策を述べさせていただきました。
私は、第4期芽室町総合計画をまちづくりの指針として、町民の皆さん及び各種団体・組織体の皆さん並びに企業・法人の皆さんなど、さまざまな主体と情報を共有し、支えあいながら、このまちの課題解決に向けた協働のまちづくりを進めてまいります。
町議会議員の皆さん並びに町民の皆さんには一層のご理解とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。