1 普通会計歳入歳出決算概況
平成18年度は一般会計のみとなった普通会計ベースの決算額は、94億4,440万9千円となり、前年度に国営土地改良事業芽室地区(美生ダム)の繰上償還の負担金(26億923万8千円)があったため、歳入歳出共に前年度より大幅に減少した。
歳入では、町税が9,446万3千円減少したが、人件費で3,556万円、公債費で4,628万9千円それぞれ減少し義務的経費を中心に歳出を抑制した結果、実質収支は1億4,015万9千円の黒字となり、財政調整基金の取り崩しを行わずに済んだ。
しかし、平成19年度以降も、地方交付税の交付額ベースでの増加が見込めないことや農業所得の減などに伴う町税の伸びが期待できず、予算決算規模は縮小に向かわざるを得ない状況で、自主・自立推進プランに基づく計画的な行財政運営と、より一層の事務事業の厳選により、健全な財政運営に努めなければならない。
2 普通会計歳入歳出決算内訳
【歳入】
歳入総額は97億1,440万2千円で29億846万2千円の減少となったが、前年度に実施した国営土地改良事業芽室地区(美生ダム)の繰上償還に伴う財源である起債や諸収入(備荒資金組合納付金還付金)の減が主なものである。
主要な一般財源の状況は次のとおりである。
町税の状況は、全体で22億1,600万6千円、9,446万3千円、4.1%の減少となった。
町民税では、個人均等割や法人税割で多少の増加はあったものの、春先の天候不順による農作物への影響から、農業所得の減少などにより町民税所得割で7,793万1千円、10.8%の減少となり、町民税総額で6,864万4千円、7.2%の減少の8億8,879万7千円となった。
固定資産税は、土地区画整理事業などの住宅団地造や工業団地造成に伴う市街化区域の編入などにより土地で1,600万円、6.0%の増加となったが、評価替えの影響などにより、固定資産税総額では2,946万4千円、2.4%の減少の11億7,932万2千円となった。
地方譲与税と各種交付金は、景気の回復傾向から地方消費税交付金で1,383万8千円の増加、国の三位一体改革により税源移譲に伴う措置として所得譲与税で6,211万1千円増加したが、減税補てん特例交付金は2,837万7千円の減少となり、全体で3,745万円増加の9億6,838万4千円となった。
本年度歳入の約38%を占める地方交付税は、行政改革インセンティブ分の需要額の増加などもあり普通・特別合わせて5,138万9千円増加の36億7,241万1千円となった。
しかし、今後も三位一体の二期改革や歳出・歳入一体改革により普通交付税、特別交付税共に自治体交付額ベースでは減少傾向が予想されるため、歳入に見合った歳出とした財政運営を目指す必要がある。
以上、経常一般財源は、町税が減少したが地方譲与税や地方交付税で増加したこともあり、総額で66億270万7千円、149万4千円、0.0%増加の前年並みとなった。
特定財源の主な状況は、次のとおりである。
分担金及び負担金は1億5,895万4千円で8,102万円の減少となったが、主なものは国営土地改良事業で繰上償還に伴う受益者負担金で1,110万9千円の減少、道営土地改良の事業量の減に伴う受益者負担金で6,688万1千円の減少となっている。
また使用料では、保育所保育料(認可・無認可・農村)において入所児童数の増加により495万5千円、新設した学童保育所保育料で443万5千円の増加などにより3億1,613万1千円となっている。
国庫支出金は4億2,894万4千円で6,250万4千円の増加となっている。主なものは、一般財源化された公営住宅家賃対策費で3,342万8千円の減少となったが、公営住宅整備事業で1,902万9千円、大成地区公園整備事業で3,500万円が増加となっている。
また、新規事業の積寒土木機械(除雪トラック)購入事業で1,960万円、芽室中学校大規模改造事業で5,131万3千円が増加となっている。
道支出金は1億2,391万5千円の減少の6億6,343万6千円となっているが、道道2丁目通用地取得事業の事業量の減に伴う1億5,495万4千円の減少が主なものとなっている。
財産収入の主な増加は、町有地売払収入590万2千円と除雪車両売払代212万1千円の増加によるものである。
寄附金の減少は、一般行政振興寄附金の2,899万9千円の減少が主なものである。繰入金の1億779万2千円の減少は、前年度に特定目的基金の統廃合のため、一部基金の廃止分を繰入金として予算計上し歳出で積み立てた1億975万円の減が主なものである。
なお、減債基金、地域振興基金の一部を特定事業の財源に充当し、財源調整のための財政調整基金は取り崩さずに済んだ。
諸収入は4億1,558万7千円で14億3,121万4千円の減少となっているが、前年度に実施した国営土地改良事業芽室地区の美生ダムに係る繰上償還に伴う財源として、北海道備荒資金組合へ納付積立していた還付金14億903万8千円の減少が主なものとなっている。
町債の減少についても、諸収入と同様、国営土地改良事業芽室地区の繰上償還に伴う一般公共事業債12億20万円の減少が主なものとなり5億5,190万円となった。
なお、臨時財政対策債は2億6,790万円で1,950万円の減少、減税補てん債は2,240万円で990万円減少した。
【歳出】
歳出総額は94億4,440万9千円となり、30億1,354万6千円の減少で歳入同様、前年度実施した国営土地改良事業芽室地区(美生ダム)の繰上償還に係る支出の減少が主なものとなっている。
経常経費の総額は、78億6,291万7千円で30億7,207万8千円減少した。これは、国営土地改良事業繰上償還(26億923万8千円)と北海道備荒資金組合への超過納付金(2億5,150万4千円)など補助費等で28億9,028万5千円の減少が主なものである。
また、経常的なものの総額は67億394万9千円で1,441万7千円の減少で充当一般財源も56億4,447万6千円の497万4千円の減少と、ほぼ前年並みとなっている。
議員・委員報酬等を含めた人件費総額は下記のとおりで3,556万円の減少となり、投資的経費充当分を含めた人件費合計でも3,743万4千円の減少となった。
なお、通常の職員給与費は1,786万4千円の減少となった。
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18年度 |
17年度 |
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| 人件費 |
1,679,671千円 |
1,715,231千円 |
△35,560千円 |
| 投資的経費に充当された人件費 |
17,262千円 |
19,136千円 |
△1,874千円 |
| 人件費 計 |
1,696,933千円 |
1,734,367千円 |
△37,434千円 |
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| うち職員給与 |
1,162,540千円 |
1,180,404千円 |
△17,864千円 |
義務的経費(人件費・扶助費・公債費)は34億9,762万1千円となり、人件費で3,556万円の減少、公債費は11億1,980万円で4,628万9千円の減少となったが、扶助費では、2,714万9千円増加の6億9,815万円となった。扶助費については、障害者支援費の減など社会福祉費で1,700万8千円減少したが、保育所の入所児童数の増加や児童手当の増加などに伴い児童福祉費で4,598万3千円増加となり、民生費総額で2,597万8千円の増加となった。
消費的経費(人件費・扶助費・公債費・物件費・維持補修費・補助費等)のうち、義務的経費以外の物件費では、社会教育施設などの指定管理者制度導入による委託料の増加などにより1,282万2千円増加の14億3,317万7千円、維持補修費は指定管理者制度の移行に伴う施設の維持補修費並びに除雪経費などが前年度を下回ったことにより3,480万9千円減少の2億7,192万1千円となった。
また、補助費等については、歳出の前段説明のとおり国営土地改良事業芽室地区(美生ダム)負担金として繰上償還した26億923万8千円と、経費の節減などによる一般財源が確保できたことから備荒資金組合に2億5,150万4千円を積み立てた分などもあり、28億9,028万5千円の大幅減少の12億7,367万円となった。
投資的経費(普通建設事業費)は15億8,149万2千円の5,853万2千円の増加となった。主な増減としては、大成地区公園整備事業(6,200万円増)、公営住宅整備事業(5,274万1千円増)、雪寒土木機械(除雪トラック)購入事業(3,191万円増)、芽室中学校大規模改造事業(1億5,381万4千円増)で増加となり、道営土地改良事業(3,925万円減)、道道2丁目通整備事業(1億5,495万4千円減)、東めむろ土地区画整理事業(2,164万7千円減)、上美生小学校プール改修工事(1,449万円減)、西中学校グラウンド造成工事(1,727万3千円減)で減少となった。
その他経費として、積立金は6,574万6千円の9,916万3千円の減少となっているが、前年度に特定目的基金の統廃合のため、一部基金の廃止分を繰入金として予算計上し歳出で積み立てた1億975万円の減少が主なものである。
投資及び出資金・貸付金は2億386万5千円の4,660万3千円の減少で、病院事業会計の出資金1,628万8千円の減と企業誘致融資金貸付金2,582万円の減が主なものとなっている。
また、繰出金は4,066万円の増加の11億1,691万7千円となった。特別会計への繰り出しは、下水道会計で2,843万円、集落排水会計で237万3千円、介護保険会計で887万円とそれぞれ減少したが、国保会計で2,813万2千円、老人保健会計で4,713万4千円、簡易水道会計で506万5千円とそれぞれ増加した。
3 主要指標及び資産負債残高
★経常収支比率:〔81.9%〕0.3%の増加
比率の分母となる歳入経常一般財源は、地方交付税を除く地方譲与税と各種交付金で3,745万円、地方交付税で5,138万9千円の増加となったが、町税で9,446万3千円、減税補てん債と臨時財政対策債で2,940万円減少し、減税補てん債と臨時財政対策債を加えた合計では68億9,300万7千円で2,790万6千円、0.4%の減少となった。
比率の分子となる歳出経常一般財源は、指定管理者委託料の増加などにより物件費や児童福祉費の扶助費で増加したが、退職職員の不補充など人件費の抑制と公債費の償還額減少により、全体で56億4,447万6千円、497万4千円0.1%の減少と前年度なみとなった。しかし、分母となる歳入経常一般財源の減少分だけ経常収支比率が悪化する結果となった。
今後も農業所得の減などによる町税の伸びが見込めないことや地方交付税の更なる減少が見込まれ、経常一般財源の減少と国営土地改良事業繰上償還に伴う起債借入の元金償還の増加など義務的経費の比率が今後上昇していくことは確実で、平成19年度以降の経常収支比率も悪化するものと予測される。
★基金積立金残高:〔26億4,195万3千円〕4,164万円の増加。
(特定目的基金含む)
主な増減は、農業振興基金積立(5,819万2千円増)、公共施設整備基金積立(524万2千円増)、減債基金取り崩し(1,856万3千円減)となっている。
<主要残高>
| 財政調整基金 |
1,128,192千円 |
| 減債基金 |
512,309千円 |
| 公共施設整備基金 |
431,288千円 |
| 地域福祉基金 |
214,945千円 |
| 地域振興基金 |
186,255千円 |
| 農業振興基金 |
106,072千円 |
| その他 |
62,892千円 |
| 基金 計 |
2,641,953千円 |
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| (参考)備荒資金普通分残高 |
110,785千円 |
| 〃 超過分残高 |
1,103,597千円 |
★地方債残高:〔97億9,649万2千円〕
3億3,873万1千円の減少。
起債残高の減少については、元金償還が8億9,063万1千円に対し発行額が5億5,190万円であったことによる。平成19年度の起債発行予定額は繰越明許費も含め8億1,790万円であるのに対し平成19、20年度の元金償還額約10億円のため、起債残高は減少傾向にある。
なお、平成18年度発行額の全てが財源補てんのある起債(臨時財政対策債、減税補てん債を含む)で占められている。
★実質公債費比率:〔16.8%〕1.5%の増加。(3ヵ年平均)
平成17年度から新たに財政指標となった実質公債費比率の増加は、昨年度の算定方法から変更があり、公有林・草地開発事業に係る起債償還額を含めることとなったことや公営企業債の償還の財源に充てたと認められる繰入金や債務負担行為のうち公債費に準ずるものの額の多寡によるものである。
平成19年度以降は、国営土地改良事業繰上償還に伴う起債借入の元金償還が開始され公債費の負担が増加するため、公営企業会計の健全化と繰出金の抑制、債務負担行為や公債費負担の適正管理を計画的に進める必要がある。
なお、普通会計の公債費比率は11.5%、起債制限比率は8.0%、公債費負担比率は14.4%となっている。
4 まとめ
平成18年度の決算状況だけを見ると、健全な財政運営に見えるが、公共施設や義務教育施設の耐震化を含めた施設の大規模改修等の計画的な実施や総合行政システムの更新経費も課題となっている。
また、町税や地方交付税の一般財源の増加が見込めないことや、歳出全体に占める公債費の割合が増加することから、地方公共団体の財政の健全化に関する法律にある自治体としての財政状況を示す4指標も鑑み、義務的経費を含めた消費的経費や特別・企業会計の健全化を進め繰出金の減少を図るなど、より一層の事業の厳選と行財政改革を進めなければならない。
今後も進められる三位一体改革の二期改革や歳出・歳入一体改革など、地方自治体を取り巻く厳しい行財政環境に変わりはなく、更には北海道財政立て直しプランによる道単独補助の削減も一部出ており、平成19年度以降についても厳しい財政運営となることは確実である。
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