「高齢社会の交通という課題」(令和元年7月号) 芽室町長 手島 旭

高齢となってもしっかり安全運転されている方は多いのですが、全国的には、登校時の児童・生徒の列に突っ込む、店舗の中に突入してしまう、赤信号で交差点に進入してしまうなどの事故が多発しています。
 「アクセル」と「ブレーキ」の踏み誤りというケースが多いようですが、多くの命が奪われる大惨事となった事故もあり、被害者やその家族の痛恨や絶望を考えると「なぜ?」という想いと、いたたまれない気持ちを強く抱きます。
 では、芽室町ではこういう事故が起きないか?十分起こりうる可能性があると思います。
 そして、最近特に気になるのは、高齢者ばかりではありませんが、薄暮時にライトをつけていない車が非常に多いということです。近年の自動車は、メーターパネルは自動点灯でライト点灯は別の操作というような機能もあるようですが、周辺を走る車の運転者にとってはかなり恐怖を感じます。
 高齢社会を迎えて、今後は運転免許返納者が増加すると思いますが、一方で、北海道のような面積の広大な北海道では「車がないと生活しにくい」という地理的条件や家族に送迎等の手間をかけさせたくないという思いで返納を躊躇する方も多いようです。
 高齢者の生活圏確保のための公共交通の充実は、これから重要な政策課題になると考えており、町行政として、そういう不安を解消するための方策を考えなければと思っていますが、コミュニティバスの増車・増便などはかなりの財政負担にも結びつくため、慎重な検討が必要です。
 今年度は、免許返納者や返納を検討している高齢者を対象に「タクシーチケットによる助成」と高齢者学級「柏樹学園」の行事の際に農村部からのバス運行を試行したいと思っていますが、その試行結果なども参考としながら今後の重要課題「高齢社会の交通確保」をしっかり考えていきたいと思います。

「異常気象と水のコントロールの時代」(令和元年6月号) 芽室町長 手島 旭

基幹産業を農業とし、「農業王国」と言われる芽室町。国民の食糧基地としての位置づけはもちろん、関連する産業への波及効果や税収、そして、やはり町民全体の元気に結びつくのが農業生産の出来というところは多くの町民の皆さんに理解していただけることと思います。
 先月(5月)26日に芽室町の最高気温は38・1℃となりました。いろいろな要因はありますが、それにしても異常な気温で、「これが5月?」と思うような日々が数日続きました。この広報誌が発行される6月中旬の時点ではどのような天候、気温になっているかわかりませんが、春先から雨量が不足し、土埃が空一面を覆うような風にも見舞われました。
 干ばつや豪雨、強風や乾燥…昔から自然相手の農業とはいえ、最近の天候の異常さはもう「想定外」という言葉が死語になるくらいの極端なものとなってきました。
人間が物理的にその問題を解決することはできないのですが、それでもかんがい(*1)のためのダム、用水路、リールマシン(散水機)などの整備、逆に豪雨などに対応した暗渠排水(*2)や排水路の整備など、これからの時代は「水をコントロールできる農業」でなければ安定的な生産が難しくなってきています。その昔「この地域は水はけがいいから排水路は必要ない」とか「この畑は湿気が多く水がたまりやすいから散水設備は不要」などと言っていた地域や場所も今では「配水も排水も必要」という時代になってしまったのかもしれません。
台風や豪雨などの災害時に最優先すべきことは「町民の生命・財産」であることに変わりはありませんが、産業面において自然現象に打ち勝つほどの土地や水の基盤整備は無理としても、この気象に少しでも対応できる整備を計画的に進めることが必要と思います。
そして、今年のこれまでの生育に関しては雨不足で心配な状態が続いていますが、「干ばつに不作なし」という言い伝えを信じ、豊穣の秋を迎えたいものです。

◆かんがい(*1)?人工的に耕地に水を供給すること
◆暗渠排水(*2)?水はけが悪い農地などに透水管を埋設し、浸透した雨水等を排水するもの善意に厚く感謝いたします芽室町にご寄贈いただいた方々をご紹介いたします。

新しい時代の幕開け(令和元年5月号) 芽室町長 手島 旭

平成31年4月1日、新たな元号「令和」が公表され、5月1日から施行されることとなりました。さらに、4月9日には、2024年上期をめどに新紙幣が発行されることになり、その図柄も発表されました。
 こういう話題を耳にすると「新しい時代の幕明け」を感じますが、「いい時代」となってほしいという期待と、激動する世の中でさまざまな課題に直面し、新たな時代への不安もないわけではありません。
 ただ、重要な考え方として言えることは、これからの時代を担ってもらわなければならない子どもたちを大切に育み、社会の立派な担い手として送り出すこと。そのために大人たちが現代社会での役割を果たしつつ、経験をしっかり伝承し、まちづくりを継続していくことが「いい時代」とするために行うべき第一歩ではないかと考えます。
 現代社会は非常に多忙な大人が多く、地域のことにあまり関心を持つ時間がないなどの実情もあるかもしれません。
 しかし、今回の新元号などを機に自分の子ども、孫、それ以降の世代まで明るく安心して暮らせる地域づくりのために、少しでもできること、伝えることを考える機会と捉え、行動していただければ…と強く感じました。
 これまでの経験から物事の善悪の判断や礼儀、社会に貢献するために必要なことを伝え、若い世代の能力や発想を否定せずに、伸ばして活かすことを私自身も実践し、次の時代につなげていきたいと思います。