対話のスタート(平成30年9月号) 芽室町長 手島 旭

町長就任から2か月近くが経過しました。関係機関へのごあいさつ、ご来庁された方々の対応、イベント、会議、打合せ、出張など多忙な業務の中で、町長という責任と町民のために何ができるか?と考える毎日は、緊張と不安、やりがいと充実感が交錯する、人生の中で経験したことのない日々となっています。
 そんな日々の中、「まず、自分にできることから…」と思い、始めたのが「職員との対話」です。スケジュールの空き時間に町長室で(出向く場合もありますが…)若手職員から順番に面談しています。
 職員とのコミュニケーションは基本です。他愛のない話を15分程度するだけですが、それでもその人の人間性や性格、印象が心に残ってとてもいい機会だと思っていますし、私の性格を感じてもらい、考え方を話せる機会としても貴重な時間となっています。
 職員全員との面談は相当の時間を要すると思っていますが、例え1年くらいかけてでも公務スケジュールを調整して達成したいと思います。
 ただ、職員だけではなく、まちづくりを進めるうえで最も大切なのは町民の皆さんとの対話だと思います。これから各種団体・組織を中心にお声掛けをしたいと思っていますが、「町長と話したい」「課題を伝えたい」「こんな要望をしたい」動機やきっかけはどんなことでも構いません。5人程度お集まりいただければ、対話に伺いますのでぜひご連絡ください。

所信表明(平成30年8月号) 芽室町長 手島 旭

地方を取り巻く環境は少子高齢化や人口減少、先行きの見えない経済、郷土の誇りを持つ意識が薄れてしまうような時代背景となり、芽室町においても大変厳しい状況にあります。
 私はこの町への誇りと自信と愛着をもった人間として、町が抱える課題解決に挑戦し、町民の皆さんの笑顔が輝き続ける芽室町を創っていきます。
 「対話し、信頼し、行動するチーム芽室」の考えのもと、行政が、議会が、生産者が、企業が、団体が、そして住民の皆さんがそれぞれの立場を尊重し対話を重ね信頼感をもって、未来の芽室のために行動します。
 「今だけ、金だけ、自分だけ」という自分本位の考えではなく、人のために行動できる町にしなければこれからの厳しい時代を乗り越え、活き活きと暮らし続けることはできないと考えます。
 自ら汗を流して体験しなければ物事の本質や人の心を理解することができない流汗(りゅうかん)悟(ご)道(どう)という考え方のもと、「対話・信頼・行動」によって、『輝き続ける町 めむろ』を皆さんと一緒に創り上げます。
 町民のみなさまのご理解、ご指導、ご協力をよろしくお願いします。

退任のごあいさつ(平成30年7月号) 芽室町長 宮西 義憲

3期12年。今日まで多くの皆さんに支えられ歩んできました。
 退任の決意をご理解いただくまで、いろいろありましたが、今「長い間ご苦労さん」と声かけいただけることを、素直にうれしく思っています。
 12年前、心の準備を整える暇もなく町長に就任、以来「協働のまちづくり」をキーワードにあらゆる人、地域社会、企業、組織団体などとの情報交換を基本としました。もちろん施策には多様な意見があり、100lの賛同はありえず、厳しい意見交換もまた懐かしい思いです。
 今日、行政を取りまく最大の課題は少子高齢化で、私の12年間にとっても最大の課題でありました。
高齢化社会のなかで、本町の発展振興に汗したご高齢の皆さんが、この町で楽しく元気に生活をしていただくため、今、総合的包括ケアシステムの確立が進んでおります。
 一方、少子化のなか、本町は子育てがしやすいように、子育てママと子どもに寄り添った施策を重点化、さらに少しの支援で就労能力を発揮できる子どもたちの就労システムを確立し、全国的評価を得たが、働く彼らの自信・誇り・輝く笑顔、そして今年新たに開所した保育所の園児たちの明るい笑顔は、この町の宝でもあります。
 本町の基幹産業は農業です。そして農業生産物を原料とした食料品製造業から、卸・小売業へ経済が循環し、さらに関連する建設業、運輸・通信業が本町の経済活動を活性化する構造は、内閣府の「芽室町における地域経済分析」からも明らかです。その地域経済振興を念頭に全国各地を奔走したことが思い起こされ、本町経済の安定感には逞しさを感じました。
 また全ての施策は、3年間の行財政を見越して毎年検証してきたが、「そよ風トーク」などで受けた住民意見をもって、協働につなげたことは心強かったです。   
 2年前の台風10号は、本町にも未曽有の大災害となり、被害を受けられた皆さんの生命を守り、生活を安定させることに全力を挙げました。多くの厳しい批判の声を受けながらも、汚泥処理、畑、道路、橋梁そして堤防などの復旧に全力を挙げて夢中で走り、国や北海道など多くの機関から助けられましたが、この厳しい災害を乗り越え、今年秋には、全ての災害復旧が完遂することが待ち遠しいものです。
 災害の経験から「自分の命は自分で守る」ことを学びました。今そのための訓練も強化し、町民皆さんの理解が高まっていることは素晴らしいことです。
 最近、町民の方から「長い間ご苦労さんでした。これからは自分の好きなことをやると良いよ」と、優しく言われることをたまらなくうれしく感じています。
多くの人に支えられた歩みは、私にとって幸せな12年間であり、今、爽やかな気持ちで一杯です。
 この町の発展と、皆さんのご健勝をお祈り申し上げ退任のあいさつとします。

町民の安全をまもるおもい(平成30年6月号) 芽室町長 宮西 義憲

5月27日、好天のもと芽室消防団消防演習が開催され、熊谷団長以下67人の団員が、日頃の訓練成果を発揮した。
 本町の消防団は、公設消防組に始まり105年を経た歴史と伝統に支えられた組織である。今日までの時代の変化のなかで「町民の安全をまもるおもい」は、消防人として確実に伝承され、心身の鍛錬や技能錬成など、厳しい訓練の礎とされている。
 当日、その功績をたたえ、日本消防協会表彰・消防長官表彰を伝達し、本町からも永年の勤続をたたえ敬意を表した。
 会場では、子どもたちが団員の小隊訓練・ポンプ操法の動きに目を見張り、放水訓練に歓声を上げた。分列行進では、4つの幼年消防クラブから104人の子どもたちが胸を張って参加し、次世代の消防団員誕生を予見させた。
 近年、全国的に自然災害が多発し、消防団員の活動に期待が高まっている。
 本町でも、一昨年の台風10号では、被災地から逃げ遅れた200人以上の救助に、消防団員の全力を挙げた活動があったことは記憶に新しい。
 水害時の、国の避難基準もあの台風から大きく変化した。「災害対策本部を設置」する本町も、消防団員皆さんとこの変化を理解し対応力を共有するため、「図上訓練」を実施すべくマニュアルづくりを進めている。
 「災害は忘れたころにやってくる」それがゆえに、忘れることなき訓練を繰り返し、「町民の安全をまもるおもい」を、この町全体で共有したい。

誰もがあたりまえに働いて生きていけるまちの明日
(平成30年5月号)
芽室町長 宮西 義憲

4月末、“誰もがあたりまえに働いて生きていけるまち”をめざす本町の、今年度事業を協議するため、四国新居浜市の(株)クック・チャム本社を訪問した。
 振り返ると「九神ファームめむろ」では、5年前の開設時の利用者9人中、7人は民間企業を含めた一般就労に移行するなど、大きくキャリアアップした人も多く、“誰もがあたりまえに働いて生きていけるまち”は、地道に見えるが確実に歩みを継続していることがとてもうれしい。
 「九神ファームめむろ」は、就労支援A型事業所で、障害を持つ若者が社会進出する動機づけとなる事業所だ。自社農場で生産した馬鈴しょ・豆類などを加工し、オーナー企業でもある(株)クック・チャムが全量買上げ、煮つけ・ポテトサラダ・煮豆などに加工し、四国・九州の消費者に惣菜として広く流通している。
 もちろん十勝めむろの素材であり、消費者の評価はきわめて高いものがある。
 協議では新年度事業をはじめ、将来の事業方針にも合意を確立することができた。
 その後、新居浜市役所の「ばあばのお昼ごはん」で食事の後、新居浜市長さんとも会談し、(株)クック・チャムが縁結びとなった両市町のヒトやモノの交流の可能性について意見交換した。折角のご縁であり何とか実現し、地域間交流や振興に繋げたいものである。
 何より、「九神ファームめむろ」で働く若者の明るい笑顔を思うとき、“誰もがあたりまえに働いて生きていけるまち”の、将来の事業方針に合意を形成し、その目標を共有して安定的に歩むことの重要性を再認識しながら帰町した。

春の香り(平成30年4月号) 芽室町長 宮西 義憲

今年は、例年になく降雪が多い冬だった。
人々のインフラを確保する歩道の除雪作業では、車道との間に積み上げた雪が、かつて経験したこともない、歩行者の視界を遮る恐怖の壁となった。でも近頃の暖気がその壁を崩し、広々と視界を広げてくれた。春の訪れだ!
 休日に雪割をしていると、庭の片隅にひっそりと「福寿草」が芽生えていた。光に敏感に反応して開花する早春を告げる花だ!
顔を上げると「梅の木」が目に入る。数日前に比べ、梢の紅が濃くなっていた。開花は、「山桜」と同じころだからまだ早いが、梢の彩の変化に春の足音が聞こえる!
 融雪剤が散布された郊外の広大な麦畑の片隅に、緑鮮やかな「小麦」が顔を出す。
輝く陽光を全身に受け、雪を押しのけた仲間同士が手をつなぎ、日々緑を拡大する様に農作物の躍動する生命力を感じるが、これもまた春の風物詩だ!
 また、融雪の下から顔を出した黒々した豊かな畑地は、日の光を浴びて雪解け水を水蒸気に変え、空気中にゆらゆらと発散する。まるで大地が呼吸をしているように。これも本町の春の自然美だ!
 間もなく小学校の新入生が、ちょっぴり大きく見えるランドセルを背負い、元気よく登下校する時期を迎える。赤信号で停車し、その子どもたちを優しく見守ってくれるドライバーの微笑みに、子どもたちの健やかな育みへの期待感が見える。待ちわびた春の風景だ!