芽室町消費者協会とのそよ風トーク

平成23年4月18日(月)  14時55分から16時10分
めむろーど2階セミナーホール

■出席者
・芽室町消費者協会 40人
・町 町長、産業振興課長・課長補佐
記録:広報広聴係
・司会 芽室町消費者協会

挨拶 芽室町消費者副協会長 佐藤正行氏 

 「災害時における町民と行政の役割」と題して町長からご説明をいただき、そよ風トークを開催したいと思います。よろしくお願いします。

町 長  
 3月11日「東日本大震災」の発生に対し、町として義援金のほかに人的支援として、3月19日芽室消防署救急救命士が現地入り、3月25日公立芽室病院医師1人が現地に入りました。2人ともすでに帰ってきておりますが、救急救命士については4月末から5月初めにかけてもう1人を派遣する予定になっています。
 現地では役場が津波で流されて役場が機能していないところもあります。避難している人たちは罹災証明書の発行を受け、避難生活をするわけですが、役場職員も被災し不足している状態で、証明書の発行もできない状況にある。全国の市町村役場に職員の手助けをお願いする要望がありました。当町役場でも職員に呼びかけをしたところ14人の職員が手をあげてくれました。いつでも14人を派遣できる体制で登録しています。また役場職員で被災宅地危険度判定士の資格を持っている職員が1人おり、この職員と補助する職員2人とあわせて17人が登録しています。要請があれば直ちに出発する体制でいます。
 先日の臨時議会において派遣に係る旅費の補正をしたところでもあります。人数などから400万円ほどかかりますが、被災地の状況を考えるとこれはみんなで乗り越えなければならないことという観点で、議会の皆さんも賛成してくださいました。そして派遣するときはこちらも忙しいわけですから、もしかして臨時職員が必要になることも考えられ、賃金の補正も提案し議会の賛成をいただきました。
 その他に物の支援も交通網がずたずたになっていますから、送っても届きません。やっと届くようになったのが3月28日でした。十勝からは帯広自衛隊のヘリで、町民のために備蓄していた毛布500枚、食料1,000食を届けてもらいました。そのあと救援物資として毛布・タオルの提供を募り、短い期間にもかかわらず500枚ほど集まりまして、それもすぐに送らせていただきました。さらにそのあと生活用品、あるいは学用品なども町民皆さんにお願いし、先週金曜日まで受付をしました。約900箱集まりました。中には小さなお子さんが自分の小遣いで新品の消しゴムを買い、お母さんと一緒に届けに来てくれました。本当にうれしいことです。
 そして避難者を受け入れる体制も整えています。公営住宅を5戸、教員住宅を7戸合計12戸、団体で避難ということがあれば、美生にある「かっこう」、あるいは渋山保育所などを開放しようと考え、今準備を進めているところです。公立芽室病院では、町の住宅に入居して通院するのであれば、人工透析患者を最大5人まで受け入れる予定もしています。
 さて、今日は「災害時における行政と町民の役割」というテーマを消費者協会からいただきました。時期的に非常に重いテーマだと思います。
 私たちの町には「芽室町地域防災計画」があり、災害が起きたときの対応について1冊にまとめてあります。これは道知事の許可を受けているものであり、その都度改善、改正を行ってきています。
 しかし今回の災害は想定外のことであり、今この計画書を作っている国、あるいは都道府県の想定では防ぎようがありません。私たちも徹底して見直さなければならないと考えています。ですから今日お話しするのは現状と防災計画を見直すという前提でお話をしますことをご承知おきください。
 さて、芽室町の災害を振り返ってみたいと思います。
 お手元の「浸水想定区域図」をご覧になったことのある方はいらっしゃいますか。3人いらっしゃいますね。実は、この「浸水想定区域図」、ハザードマップですが、洪水が発生した場合の注意喚起をするためのもので、避難場所も掲載しています。
芽室は災害のない町と思っていらっしゃる方が多いですが、資料をご覧ください。
 「芽室の災害年表」に沿って説明。
資料「芽室の災害年表」は、防災計画に掲載されています。
 災害対策本部が設置されたのは、昭和39年3月29日発生の火災、昭和47年9月17日発生の豪雨による水害があります。平成15年9月26日発生の地震では、災害対策本部を設置しましたが、芽室町に被害がないため直ちに解散しております。役場の中でも対策本部を知らない職員がほとんどです。ということは町民の皆さんも災害対策本部とのかかわりを地域活動にどう位置付けていくか、経験のない方がほとんどだと思います。ですから災害が発生したときは大変なことになります。以上のことが背景となり、何とか町民の皆さんが訓練に参加していただく方針を打ち出しています。
 今、防災計画を見ながら、町民の皆さんの安心・安全をどう確保するか、全力を上げようとしているところです。防災計画を見直す前に今回の災害が発生してしまいました。防災計画策定は行政の役割と一致します。
 次に、芽室町地域防災計画の構成です。
(1)予防計画 災害時の危険地域の設定し周知。訓練計画等
(2)災害応急対策計画 災害の発生を防ぐ、あるいは応急救助の実施等
給水や食料の確保など避難対策
(3)震災対策計画 地震対策計画は防災計画の中でも特別のもの、ボリュームもあり別冊になっている。
(4)事故災害対策計画 例えば鉄道災害、航空機災害などの場合
(5)災害復旧計画 災害発生時の復旧計画 まずは町民の皆さんの生活確保を最優先する。今回の災害では原発問題があり、生活優先の安全確保が崩れている。実は防災計画では原発事故は想定されていない。これから考え直していかなければならない。
(6)防災訓練計画 訓練を実施することで防災に対する知識、技能を身に着けていただくことが非常に大事です。役場職員も同じことであり、訓練により中心的な活動の技能を身に着けていく。
 役場庁舎の火災訓練、避難訓練を何回か実施していますが、これもやってみないとわからないことがある。防火扉の開閉や構造の違いなどが訓練によりわかった。消火栓のホースも実際に放水すると赤錆の水が出たりして、行ってみないとわからないことが本当にある。訓練は本当に必要に感じており、昨年も町民の皆さんと行いましたが、それは簡略化し、変則的に行ったものでした。
 今年からは防災計画に基づいて実施するため、計画の整理をしようとしたところに災害の発生でした。ですからさらに計画のグレードを上げて徹底的に見直していかなければならない。
 芽室町地域防止計画には「住民の責務」が記載されている。資料6ページ参照
 第5節 住民および事業所の基本的責務
 「自らの身の安全は自ら守る」とあり防災の基本とされています。
 第1 住民の責務
( 1)平常時の備え (1)~(7)
・避難の方法および家族との連絡方法の確認     
 今回の災害で東京がパニックになった。交通機関がマヒし、何時間もかけて歩いて帰宅した人が大勢いました。普段からの備えが大事になります。歩いて帰るため運動靴を買い求めていた。そして普段から家族と連絡方法や避難場所の確認を行うことが大事になってきます。
マップの裏には、町内の避難場所と避難施設が掲載されています。自分の避難場所、避難施設は普段から確認しておかなければなりません。
 実はこの避難場所の一覧には、「東3条4丁目広場」とありますが、芽室高校跡地と言っていた所です。しかし芽室高校跡地では、最近芽室に越してきた方々にはわからないのです。ホットボイスで「芽室高校跡地ってどこですか」と言われ、もともと芽室にいた人しかわからないことに気付いた次第です。また水色の網かけで表示した避難場所・避難施設は、大雨の時は避難不可になります。避難不可であるならば、どこに避難すればよいかまではこれには書いてありませんので、この点についても整理し改めていかなければならないと考えていたところです。これについても課題として考えています。
・飲料水、食料等の備蓄、救急用品等の非常持出用品の準備
 町では、乾パン、アルファ化米を用意しています。ご家庭では、防災グッツなどは普段使わないため仕舞い込んで所在が分からないといったこともありますが、いつでも即使えるように準備することが大切です。
・隣近所との相互協力関係のかん養
このことがいわゆる「共助」の部分になります。中越地震のとき、山古志村では高齢者が多く隣近所の人たちが声を掛け合い避難しました。小さな村ですからどこに誰が住んでいるか地域の皆さんが知っていて、それが互助精神、助け合いになったのです。山古志村の教訓が生かされ、普段からこのような関係を築いていかなければなりません。
・災害危険区域等、地域における災害の危険性の把握
 これは、先ほどの洪水の危険か所を記した地図のことです。芽室町の危険な場所はどこか、家族で分かっていなければなりません。
・防災訓練
 訓練により防災知識を高め、応急救護技術の学び習得することが平時には大事です。
・災害時要援護者対策計画
 災害時の要援護者への配慮であります。町では昨年度から要援護者台帳を作成しています。承諾を得た方の台帳は町内会長さんにお渡ししています。今後はその台帳と防災訓練をどう結び付けていくか、整理しなければなりません。山古志村の助け合いはこの考え方ですし、神戸の震災時にはこの計画の有無が助け合いに大きく差をつけたそうです。
・自主防災組織の育成に関する計画
 町内では、緑町東町内会が以前から自主防災組織をつくり活動しています。町内会でヘルメット、リヤカーを用意し、避難訓練を行っています。またそれらの訓練に町も協力しています。全町内会がこのように組織する方向に進めていきたいと考えています。
以上この7点が「平常時の備え」であります。
 2災害時の対策
 (1)地域における被災状況の把握
 (2)近隣の負傷者・災害時要援護者の救助
 (3)初期消火活動等の応急対策
 (4)避難場所での自主活動
 自らが避難していながらボランティア活動をして助け合っています。今回の震災では行政体が滅茶苦茶になってしまい、行政を頼り活用することができなくなっており、地域の皆さんがカバーし合っています。被災したにもかかわらず整然と並び物資の支給を受け、略奪ひとつ起きていません。これが外国のメディアに取り上げられ称賛されている。私たちはそのようなことを大事にしなが地域活動に結びつけ進めて行きたいと考えています。
 (5)防災関係機関の活動への協力
 (6)自主防災組織の活動
 町では、地域で防災組織の結成や活動のために、地域で防災倉庫を設置をしようとする町内会の支援を行っています。すでに青葉東、弥生北町内会では防災用の道具を入れる倉庫を設置し町が補助をしています。是非各町内会で検討し実施していただきたい。そして倉庫の設置を契機に、要援護者の把握や避難訓練に結びつけ、防災意識を高めていただきたいです。
芽室町の災害対策組織について
 組織としては「緊急幹部会議」を開催して情報の収集し、今後の予測を検討します。
「連絡本部」を設置。関係課長で組織。
「災害対策本部」の設置(災害、被害が予測される場合)
「災害対策本部」が拠点になる。本部長は町長であらゆる責任を発揮します。
これはどこの自治体も同様に組織され、今回の震災では、本部長(町長)が先頭に立ち指揮命令するため自分の家族の捜索にも行かず、不眠不休のため身なりも汚れたままの姿がテレビに映っていました。町民の皆さんの安全を守らなければならない。それは職務であり、芽室町役場も同じであります。
 P19 組織図説明
 震度4以上の地震が発生すると役場の関係職員は出勤。
 災害対策本部が設置されると各部の業務分担(P20)が細かく決められている。
芽室町の避難対策計画について
今回の震災では、原発事故による放射能問題があり、避難するのかどうか皆さん非常に困っています。
 (1)避難勧告と避難指示(どちらも災害対策本部長が発するが、強制力はない)
 勧告 「避難してください」というふうに優しい
 指示 内容が命令に近い
 強制力はないが、災害対策本部長は町民の皆さんに伝えなければならなりません。
 今回の震災では大樹町が避難指示を早い段階で出していました。
 津波には津波注意報、津波警報、大津波警報がある。大樹町では「大津波警報」が出たら「避難指示」と決めてあり、迅速に対応していました。
 しかし室蘭市では、「大津波警報」が出されても判断がつかなかった。従って避難する人もいなかった。これらの判断は災害対策本部の本部長でありますが強制力はありません。非常に難しいことですが、町民の皆さんの生命財産を守るためには、しっかり念頭におき進めていかなければなりません。行政の大きな役割になる部分です。さらに厳しいものには警戒区域の指定があります。警戒区域には強制力があります。
災害発生時直後の応急的食料備蓄計画について
 (1)個人備蓄
 今回の災害では個人備蓄の重要性が伝えられていた。
 (2)行政による備蓄
 町では、毛布もありますが、食糧は5,000食用意しています。ところが今は被災地の支援物資に提供したのと賞味期限があり処分した後の災害だったため、処分に合わせて注文していたのですが入ってきていませんので、ちょっと不安な状況です。
 (3)炊き出し計画 P82
 計画では炊き出しの実施期間は、災害発生から7日以内となっています。それ以上の想定がされていませんが、今回の災害でははるかに超えておりあらゆる想定を考えなければなりません。
 防災計画というのは皆さま方が、何ができるかということも含め、行政も何をするかということを、徹底見直しをしなければならないということです。
 今日は皆さん、逆に不安になったかもしれませんが、防災計画の見直しを進めていきます。
防災計画は北海道知事の許可を受けます。そのことにより防災ヘリの出動や自衛隊の出動要請も知事を通して行うことになります。行政ができること、皆さんができること、両方が協力しなければなりません。なお、毛布や食料は町内の避難施設数か所に保管しています。
司会 質問はありませんか。
質問 
 町長の説明で町が災害対策を考えていることがよくわかりました。ただ十勝にも活断層があります。芽室町にはかかっていませんし、地震の発生もありませんがこれらも想定した防災対策を考えてほしい。また街なかに立っている避難場所を知らせる看板の整理と避難場所を一か所にしてほしい。災害により避難場所や避難施設が違うと迷ってしまい、高齢になると覚えられない。また自主避難ということもあり、整理すべきことだと思います。
町長
 活断層の想定は、危険地域調査などでは念頭において進めて行きたい。また災害が発生したときの子どもたちの対応ですが、登校中と家庭にいるときのふた通りがあり、分けて整理しなければなりません。子どもたちが登校中に災害が発生したときは、学校という組織の中で、特に火災が発生したときを想定して避難訓練を行っています。それに合わせて災害が発生したとき子ども達が学校の中でどう動くかを考えなければなりませんし、学校の中で安全な避難場所の確認も必要です。今回の震災では高学年が低学年を誘導し、難を逃れた例もあります。
質問
 施設に非常用電源を備えてほしい。
町長
 非常用電源は役場、病院など大きな施設には備えています。その他の施設も必要かどうか点検を行うことになります。今回の災害では設備が津波で冠水してダメになっており、ここは津波を考えなくてもいいです。
質問
 昨年防災訓練をやり貴重な体験をしました。その中、心配になったことがトイレです。防災訓練会場には、簡易型トイレが設置されていませんでした。現実、災害等が発生した場合、何千人という規模の避難者が出た場合、トイレが賄えるかどうか心配になりました。到底無理だと思いました。学校などはトイレの数が多いけれど、その他の施設、コミュニティセンターなどは賄えるのかちょっと心配になりました。
町長
 昨年はトイレを用意しない訓練でした。一昨年はトイレを用意した訓練でした。
仮設トイレは町内団体、事業者に手伝ってもらって用意する訓練と、町が単独で揃えるものとあります。これからその手法を考えなければならないと思います。地震を想定した場合、仮設トイレの運搬という問題があります。道路の状況によっては仮設トイレを準備するまでの選択肢を揃えなければならないと感じています。今回の震災でも体調不良を訴える人たちが続出していました。
質問
 災害が起き、炊き出しをする場合、給食センターが使えないなど炊き出しをする場所がないときにはどこですればよいのか。自分たちで色々な場合を想定して話をしますが、炊き出しの部署も決まっており、災害時を想定して事前に担当課と相談しておいたほうがよいのでしょうか。地元業者は災害を想定して事前に相談したほうがよいのでしょうか。
町長
 基本的には災害が起きる前の話ですから、防災の窓口、役場では総務課地域安全係が担当しています。炊出し計画はp82になりますが、p83には炊出しの協力団体があり、民間団体との協力による炊出しは大きなテーマであります。米の小売業者、食料品の小売業者などを表にしています。
司会
 先ほどから、町長から行政が行うものについて説明がありましたが、自分のところの町内会も含めて自助、共助の中で、平常時にお互いが共助というところに力を入れ、自分ができることから始めなければならないと感じています。私の町内会では、災害時要援護者と助けに行く支援者の二つに分けています。また提供できる物資、例えばテントや車などについても調べ災害に備えています。自分たちで守っていこうとする意識付けが大事であり、平常時に行うことが大切と感じおり、町内会が一体になり進めていかなければならないのかと思う。
 司会の私からもお願いがあります。自主防災組織とありますが、行政が関わって自主防災組織のリーダーを育ててほしいです。

 以上、長時間にわたりましたが、以上で終ります。

災害時における町民と行政の役割(pdf)
避難時の心得(pdf)
芽室の災害年表(pdf)
浸水想定区域(ハザードマップ)(pdf)