まちづくりシンポジウム
  
日時  平成16年3月21日(日)午後6時30分
  
場所  めむろーど2階 セミナーホール
【町民検討会議トップへ】

【芽室町ホームページへ】

パネルディスカッション

 それでは、パネルディスカッションを始めたいと思います。本日は「自主自立への道、あらためて自治を考える」ということでお話を頂きたいと思います。コーディネーターには今ほど公演をされました宮脇先生、パネリストは、自主自立町民検討会議員であります明瀬幸子様、中村和宏様、尾藤光一様、それと常山町長であります。それでは先生、宜しくお願いいたします。

【宮脇】それでは、パネルディスカッションにはいらせて頂きたいと思います。これから9時までの予定で進めさせて頂きまして、その後15分程度になろうかと思いますけども、フロアーの方から直接ご質問頂く時間も用意したいと思いますので、宜しくお願いしたいと思います。これからの一応のテーマでございます、これは一応でございますので、途中でパネリストの皆さん方から別の問題提起等があると思いますが、まず、最初に自主自立の町民検討会議での議論を終えて、どのように思われたか、そういった感想めいたもの、そこから入りまして、自主自立で進む上で必要と思うもの、これはコスト面ですとか、あるいは役割分担だとかいろんな面があると思いますけども、その辺の考え方、そして、今回の合併議論の中で考えられた事。最後に締めくくりといたしまし
て、これからの芽室町の目指す方向性、といったような4つのブロックを用意させて頂いておりますけども、これは流れによりまして、多少変わってくるかと思います。これを通じまして、まさに自治のあり方、「自治とは何なのだ」ということについて問いかけていきたいというふうに思っております。
 それでは最初に入り口といたしまして、自主自立町民検討会議での議論を終えて、まず率直なところどのように感じられたか等につきまして、その他このテーマにつきまして自由にお考えがあるところがあれば、お述べ頂きたいと思います。恐縮ですけども、最初に町長の方からお願いできるでしょうか。

【町長】それでは、申し上げます。まず、自主自立の町民検討会議の経過の概要につきましては、その都度、広報誌でお知らせをしておりますし、先ほどの松下会長からお話ありましたとおり、今回は、検討会議のメンバーが30人、その内行政が4人、議会議員の方が3人、あとは町民の皆さんであります。町民の皆さんの中でも、公募の会員の方が9人、約3分の1おられた。積極的に芽室町の自立に対する熱い思いの方が応募されたわけで、非常に自立に対する積極的なご意見をたくさん頂きました。この種の計画、構想というのは、従来行政でつくりますと、どうしても行政ベースになるわけでありますけども、今回は私としては、まだ最終報告書は出ていませんけども非常に前向きな積極的なご意見をたくさん頂いたなと感謝をしてしているわけであります。住民の皆さん自ら思い切った、この痛みを我慢し、その代わりこの素晴らしい芽室町を守っていくという様々な提案を頂きました。その中で、例えば、行政も思い切ったスリム化をすべきなのだけれども、自分達もいろいろな使用料だとか、手数料だとか、公共施設の有料化、あるいは見直し、更には、どうしても財政が厳しいのであれば、新たな財源として、例えば、都市計画税のような財源も検討すべきではないか、という積極的なご意見を頂きました。
 また、行政の従来サービスを見直して、自分達で出来る事は自分達でやる
ということで、先ほども宮脇先生のお話しありましたように、自らやるもの、あるいは共助と言いまして地域、町内会でやるもの、民間にやってもらうもの、どうしてもこれは行政でやってもらわなければいけない、そういうようなものを真剣に分担していく必要がある。行政の重荷を減らしていく必要があるのだ、という積極的なお話がありました。地方分権というのは、行政の自己責任と、自己決定ばかりではなく、住民も自立と責任を求められているという認識も、町民検討会議の親の会議、更には分科会でもたくさん意見が出てきた。それから町民に対する説明会でもそうした意見が非常に出てきたことは、素晴らしいと思っているわけです。苦しいけどもお互いに頑張ろうじゃないか、という意見が町民の皆さんから、従来では考えられない積極的な前向きな意見が出てきたという事は、自立に向けて大きな弾みになるのではないかと思っているわけであります。こうした素晴らしい、まもなくまとまります基本構想をベースとして、具体的な自主自立に向けての推進プランを町民の皆さん、議会の皆さんのご意見を頂きながら、実現の推進プランをつくっていきたいと考えております。以上でございます。

【宮脇】ありがとうございました。前向きで積極的な意見というものが共有できたという事だと思いますけども、次に中村さんお願いしたいと思います。

【中村】中村と申します。宜しくお願いします。まずもって、このような形でお話するのは初めてでありまして、ともすれば頭が真っ白になって何を言うかわからないということもあるかと思いますが、どうかお許しください。しゃべれなくなったら、宮脇先生にお願いするという事なのですが、この町民会議の論議を終えてということであれば、宮脇先生にお願いするわけにはいかないので。僕はこの町民検討会議と並行してあった、中札内、帯広、芽室の任意協議会の会合にも半分程度行かせてもらって、議論を聞かせて頂きました。自立の話の検討会議なのですけども、その話も少し頭の中に入っているという状況下で、この会議に参加しましたけども、あくまでも自主自立の理念を持ってまちづくりを行う検討会議の目的を達成するために、何とか考えていきたいと思って参加してきました。
 ただ、やっぱり僕自身、一番思ったのは、本当に自分自身主体性がなかった、一体自分は何をやってきたのか、いろいろなものをお任せ主義だった、一人ぐらい何もしなくても、ある人がやってくれるとか、財政が厳しいと聞いていたけれども、何とかなるだろうなというお任せ主義から脱却していなかった自分というのが、すごく惨めでもあったし、恥ずかしさを今でも持っています。ただ、その事が少しずつではあれ、何回か検討委員会を経験する中で、仲間の
検討委員の方々の意見を聞きながら、少しずつ足りないものをインプットできた。まだ全体の自分の理念などはなく、ましてや他の人の意見を聞いたら、自分のあった理念がコロッと変わるような状況なのですが、一つ一つ勉強していくことが出来たらということで、事務局の方々から膨大な情報提供も頂きました。しかし、それも読みきれなかった。委員としての責任を果たせたかわかっておりませんけども、この事をしっかり頭に受け入れて、主体的に声を出していく、何も恥ずかしくない、声を出していけば何とかなるのだということです。いろんな人にお話をしていく中で、まちづくりをしていく重要さがあるのだという、そんな事を1から100まで、とにかく勉強させて頂いた。この会議にあって、本当に自分自身良かったと思っています。これからどんな立場で、この得た経験をどう生かせるかわかりませんけども、また違う部分で生かしていきたいと思っています。全くの感想です。

【宮脇】ありがとうございました。それでは次に尾藤さんお願いしたいと思います。

【尾藤】皆さんこんばんは。私みたいな若輩者がここでお話できることがあるのかどうか、ちょっと迷ってここに出席させて頂いております。自分で自主自立の検討会議に手を挙げては入らさせて頂きました。何故入ったか?ということから始めて、感想を述べたいのですが、私は青年会議所という所で数年活動させて頂きました。そして2000年度に、その年の理事長の思いがあって、合併問題に取組んでくれということで、まず勉強から始めようと、私が委員会の担当になりやらせて頂きました。それまでに市町村合併や行財政のことに関心があったかというと、自分自身、難しいことなので、やっぱり中々入り込めないということで、委任と申しましょうか、その筋の方にお任せするという気持ちでありました。そのような中で、青年会議所の中でいろいろと仲間と論議をする中で、合併問題については住民を多く含めた中で、やっぱりもっとたくさん論議をしなければ、自分達のまちの行く末ですから、これはまずいなということで、それをずっと訴えかけてきました。答が出たかというと、これは、自分自身の中でも答がまだまだ出ていません。そんな中で自主自立の検討会議に入って、率直な感想としては、この検討会議が大まかな道筋を終えて、終焉しようかとしているのですが、本当にここで終わってしまってよいのかなというのが率直な感想です。まちづくりを考えた時に、合併問題がある時に、まず最初に考え
なければいけないのが、自分たちの芽室らしさとか、まちらしさが何なのか、そして日本の中で存在意義というものを考えた時に、まちづくりというものを、自分達の存在意義というものを考えなくてはいけない。そこからいくと、まず始めには自主自立であろうと思って、この検討会議に入らさせて頂きました。そして、その対抗馬として任意協議会があって、これから法定協議会に入るぞという時に、いろんな諸問題があったのか、それが良かったのかは私はわかりませんが、対抗馬がいなくなって、率直な感想として、ちょっと残念です。
そんな中で、まちの広報誌に自主自立で行くのだ、というふうに書かれて回りました。たぶん私と住民の方は同じだと思うのですが、いつの間にこれが決まってしまったのかなというのが率直な心持です。ですから、今検討会議の議論が終わった中で、本当にこのままで良いのかな?議論は足りているのかなというのが率直な感想です。具体的なことか他のことについては後ほどお話させて頂きます。

【宮脇】ありがとうございます。非常に重要なご指摘だと思いますので、後でまた具体的なところはお聞かせ頂きたいと思います。それでは、明瀬さんお願いいたします。

【明瀬】皆さんおばんでございます。明瀬でございます。とりあえず、自主自立の検討会議の議論を終えて、一体明瀬さんはどうなのかと言われました時に、正直申し上げまして、参加させて頂きまして、随分議論してまいりましたけれども、何か一つ釈然としないものを思いながら、ある程度、この検討委員会も大詰めにきたのかなということを考えております。ただいま先生のお話をお聞きしまして、改めまして、一層これから自主自立、そして自立をしていく、私なりに精神を持ち直していかなくてはならないのかなという率直な感じをしております。今、それぞれ委員の皆様からお話がありましたように、まだまだこれから議論の必要があるのかなというふうに、毎回重い足取りで勉強させて頂いたのですが、終わりに近かったというのもあるのですが、とにかく芽室町は自立でいくのだということから、ここまでは例えば、合併なのか自主自立なのかという一つの相手があって何となく議論してきたのですが、この辺でちょっと、それこそ理念もなにもない私だったのですが、トーンダウンしたのかなというのが、自分では残念だと思っております。こういうふうになった結果というのは、当初、他の市町村の認識と私のまちの認識と多少の食い違いがあったのではないかと感じております。これからどうしていくのか頭で悩んでいるところでありますけども、また何らかの形でこのことを一所懸命勉強していきたいと思っておりますので、とりあえずは宜しくお願いいたします。

【宮脇】
ありがとうございます。今問題提起をされたのですが、自主自立という具体的な内容に入ります前に、尾藤さん、自主自立の議論は今終わらせて良いのだろうか、あるいは、合併の議論ともう少し緊張関係を持った中で考えていったほうが良いのではないか、といったご指摘があったと思うのですが、具体的にもう少しお聞かせを頂けないかということなのです。自主自立ということについてきちっとプロセスとして形成されているのかどうか。この部分というのはやはり一度率直に問いかけてみる必要性があると思いますので、先ほどのご指摘の点についてもう少し補足するところがあれば、お聞かせ頂きたいのですが。

【尾藤】補足出来るかわかりませんけども、法廷協議会に入りたいというまち側の意向があって、アンケート調査も終わった中で、各まち、団体等に説明があった時にですね、一部の町民の方から、自主自立の検討会議の話についても、いろいろとまちの広報誌に出るが、その話はどこで話して、どこで決まるのかというご意見を頂いたのを会場で聞いて、たぶん町民の皆さんはこういう検討会議があるということ自体も全部の方は多分知らないであろうと、広報誌自体も全部を隅から隅まで読んでいる人はいないだろう。私も青年会議所活動の中で合併問題を取り上げて、アンケートを投げ込んで、お話をして回答を下さいとやっても、論議は必要だけでも、どこで論議をするかということで中々集まって頂けなかった。そんな経過もあって、この検討会議で一応の意義としては、自主自立をしたいというメンバーが集まってやってはいるけども、町民の大半の方は、やっぱり誰かに委任という心持で、私は町民の7割以上の方、パーセンテージまではわかりませんけども、やっぱり誰か分かる人にお任せしたいという気持ちが一杯で、論議にはなっていないだろうと、そんな中で合併の特例法の時限立法がもうすぐ切れるから、どっちかにしなくてはいけないということで、今回は法定協議会には入らない、そして自主自立でいきますというのが広報誌に出た。これを住民の方がどう見ているのか、率直にどこで決まっているのかというふうに思っているから、これで良いのかという感想です。

【宮脇】ありがとうございます。中村さんは何かお感じになられているところはありますか?

【中村】そうですね、やり方としては、ある程度こうだから、こうしましたとか、こういう理由で、こうなんです。その情報提供というのが広報誌なりいろいろあるにせよ、それは大変不足しているというのは尾藤さんの言う通りだと思っております。法定協にいかないとか、自主自立でやりますとか、誰がどこの場面で決定するのかというのは、いろんな選択肢があると思います。だから今回のことがダメだとか、良いという問題ではないと若干思っております。ただ、間違いなく尾藤さんがおっしゃったように、私も自主自立の状況がやっとわかった、自分のする事がやっとわかったという状況ですから、恐らく新聞ですとかいろんな情報をつかんでいる方は多いと思いますけども、全体にいきわたっているということは当然あり得ないだろうと思っております。今回、町民の方々はこの結果に対していろんな思いを持っていると思います。私はこれは一つの結果であろうと思いますし、どのやり方が良い、このやり方が良いというのは、まだ自分自身つかんでおりません。以上です。

【宮脇】今の議論というのは、これまでのやり方が良かったか、悪かったかということよりは、これから自主自立を地域として選んでいくに当たって、正直言って、もう少し厳しい議論をしていかなくてはならなくなるわけです。その時にもっと地域の住民の皆さんと開かれた窓による議論をしていかなくてはならないわけで、そのやり方はどうしていくのかというのは根底にある問題だと思います。町長、今のご指摘、これからのためにどういうふうにお考えになられたか、ちょっとお聞かせ願えるでしょうか?

【町長】それは、広報でも書きましたし、私は議会で決断した2月4日の全貌を町民の皆さんにお知らせいたしました。結論からいきますと、法定協議会にいくかどうかは住民の皆さんの代表である議会の議実事項なのです。私はそれまでの説明はできれば両方の情報を提供して、どちらを選べば良いかということを法定協にいって、一方では検討会議の結果が出て、第一義的には町民の皆さんに選んで頂いて、それも参考にして最終的に仮に合併賛成というのが多ければ、それは議会に提案をして最終判断を頂くということを申し上げてきた。私は最終決断をしたのは、できれば今まで説明してきた経過からして、法定協にいきたいと思いましたけども、議会の雰囲気は既に報道されていますし、前回、JCがやられた会議でも各委員の発言があったように、体制としては圧倒的に法定協にいくことについては、慎重論が多かった。仮に私が提案してもそれは否決されることは間違いないということは、最終的に私の判断でありました。それは結果として、その事で議会の中でギクシャクするのはいかがなものかなというような事もありましたから、私としては町民の皆さんに法定協への参加についての意見をアンケート調査で集め、1053通ありましたけども、その内717名の方から、自由意見覧には、合併は反対なのだけども情報は提供して欲しい、あるいは、頭から合併すべきではないというのがかなり圧倒的に多かった。今まで町が行った意向調査2回、それからJC、町議会の特別委員会が行った意見でも、自立論が5割から、多いときでは7割ぐらいあったわけで、そういうことを最終的に総合的に判断をして、最後は議会の議決事項と。最終的なまちの意思決定は今は法律でそのように決まっているわけでありますから、結論の見える事を出しても、私はいかがなことかなと思います。町民の皆さんには調査にご協力を頂いて、大変申し訳なかったわけですけども、私の判断でそのように決定をさせて頂いたわけであります。以上です。

【宮脇】ありがとうございます。これは最後に芽室町が目指す方向性というところあたりで、今後の議論の進め方というところで、どういうやり方があるのか、どういう情報共有の更なるやり方があるのかということについては少し議論をする時間をとりたいと思います。先ほどもありましたように、いろんな負担というものが生じてくるわけですから、そういう議論、やり方というのは非常に重要なポイントとなると思いますので、それは最後の方でもう一度取り上げさせて頂きたいと思います。今日のテーマは自主自立ということなのですが、自主自立を行っていくことに当たって必要な事というのが幾つかあるわけです。この辺のところについてもう少し具体的に考えていきたいと思います。私も住民の皆さんにも時間ですとか、金銭的な負担ですとか、いろんな参加というのが必要になりますというふうに申し上げているわけですけども、そういう議論をするに当たっても、そうは言うものの、やはり今までのいろいろな行政のコストとかをきちっと考えてみた上で、これからの財政のあり方というのは議論していくことが必要ではないかという部分は、やはりあると思うのです。芽室町でもいろいろな努力をされているようなのですけども、明瀬さんは企業の経営者であるわけですけども、今の行政側のこれからの財政繰りにおいてはコストのあり方とかが重要なポイントとなるし、議論もかなりされたと聞いておりますが、役所でのコストのあり方、コストの見直しのあり方で、今回お考えになられること、あるいは、ご意見がありましたらお聞きしたいのですが。

【明瀬】適切なお答えになるかどうかわかりませんけども、例えば取り敢えずは、今後については一旦原点に戻りまして、これから改めて出直しが必要だと思います。今までは私自身はじめ、大変だと聞きながらも、何とかして下さるだろう、何とかなるだろう、というような考えできましたけれども、実際コスト面から言いましても、企業としては「何とかなるだろう」は絶対に許されない事なのです。そうしたらどうするかと言うと、当然どの企業もやってらっしゃるけども、リストラとか賃金カットとか、時間外勤務をさせてはいけないと言うけれども、やっぱり私ども企業は、お客さんが求める、希望している満足が頂けないとなれば、当然企業努力というものが一番大切になってくるわけです。これは行政も同じではないかと思うのです。だからといっても、要するに議論の中で、平成35年になれば芽室町も上向きますよ、ところが、当然今の職員の皆さんがどんどん少なくしていくと言うのですけども、これだけでコストが下がると言えるのでしょうか。やっぱり企業は企業、住民は住民、行政は行政としての役割を果たしていく時には、私たちでは出来ない事を行政にお任せする、また、行政で出来ない事は民間、最近よく民間委託ということが聞かれるのですけども、今のところまだ民間委託も充分行政の方としても、実現されていないように思いますけれども、これからは当然民間がやって、コストが下がるのであれば、どんどん民間が引き受けてやる。行政の中のことは私どもには正直言いましてわかりませんが、原点に帰った段階で何らかの形で議論した上で、官民一体となってこれから力を合わせていけば、やり方によっては自立も可能だと思いますし、今から60年くらい前の事を思えば、今は本当に厳しくなっていっても、私どもの年代と、現代の人では考え方の違いはあると思うのですが、まだまだ自立して頑張っていける要素は一杯あると思います。それを基本に、もう一つは住民の皆さんも企業、行政と同じ気持ちになって頂いて、辛いときは同じ辛い思いをして、今のところは、どうなっていくのかというところは、私たちも住民の皆さんもそこまでわかっていないところがあると思うのですね。こんなふうに苦しくなっていくのだよ、というのはこれから住民の皆さんにもひしひしと理解して頂きながら、出来る、出来ないなど言っていられない事態にきていると思うのです。それを踏まえて皆さんと頑張っていきたいと思います。

【宮脇】同じようなことなのですが、尾藤さんにお伺いしたいのですが、コストを見直すというのは、いろんな負担をお願いするにあたって、前提としてやっていかなくてはならない部分だと思うのですが、中々行政だけだと故意にやらないだけではなくて、わからない、あるいは気づかないということもあると思うのです。今のご指摘の中で、民間委託とかアウトソーシングをやっていくのだといっても、中々上手く進んでいかなくて、よく我々も言うのですが、行政は指示する人、民間は作業する人という概念の中で、新しい良いものを生み出していこうという流れになっていかない場合があるのですけども、まず、地域のことを変えていく時に、行政が変わっていくというインパクトは非常に大きいと思うのです。こういうコスト削減という考えで、行政に対して気づいてもらうという意識改革みたいなものをして頂いていくための取組みにお考えがあればお聞かせ頂きたいのですけども。

【尾藤】答えになるかどうかわかりませんけども、2番目の設問として、自主自立として進める上で、必要なことというのを考えた事は、さっきの先生のお話の中でも応答性の話がございました。行政と住民の中でも応答性というのが今まではないと思うのですね。中間に入る人というのは地域住民の代表として、議会議員の人たちがいるのですが、選挙の時にはお話しますけど、それ以外4年間はお話しすることはないというのが現実であります。率直に申し上げて、やっている方とやっていない方がいらっしゃいます。一番大事なことは、こういうことに対して自主自立でいくにしても、いつも青年会議所でも言っていたのですが、私は小学校の時にボーイスカウトに入っていまして、いつも「備えよ常に」ということを目標に教えられました。合併問題に取組んだ時も、やっぱり「備えよ常に」という話をメンバーで話していたのです。備えるという事はコストの面を考えたりだとか、芽室町の産業の事を考えたりとか、基幹産業が何で、それをどう産業クラスターみたいなものを構築して、経済がまちの中で回ってとかいうことを、今からコミュニティーの中でコミュニケーションを大いに図って、していかなくては、いくらお題目を整えてもダメだと。
私たち若い仲間の中には青年4団体交流会議というのがございます。JC、農協青年部、商工会青年部、農生協、この人員を集めますと、今300近いメンバーがいます。そのメンバーと一同に会せるというのは中々難しいですけども、役員で出てきた中では芽室町の将来とか、芽室町のあり方とか自分達のそれぞれの仕事とか、職業によっては立場の存在意義というものを考えていこうと。そうする事によって、何年かした時に本当に困った時に、あの時あんな事を話したよね、ということで芽室の存在意義も出てきて、合併しても、合併しなくても、存在意義という事がはっきりすれば、芽室の“らしさ”というか、芽室は存続する、まちとして存続するかどうかはわかりませんけども、芽室としては存続するというふうにずっと考えていて、その中の具体的なこととして、コスト面とか経済のことが出てくるのかなと思います。

【宮脇】まさにそれが芽室としてのブランドが行政区画としてあるかないかというか、正直言いますと、行政区画というのは地域に対して一定の事を実現する手段なのです。ですから地域というものにブランドがない中で、行政もその単位で存続するというのは非常に辛い。だから地域に対してブランドというものを形成できることによって、合併する、しないにしても一定の地域というものを維持するという事ができるということだと思うのですけども。中村さん、2つ質問があるのですが、先ほど私もネットワークとかパートナーシップということを申し上げたのですが、必ずしもそう簡単に動き出せないところもあると思うのです。具体的にこういうことをやったらよいとかは幾らでも言えるのですけども、行政には行政の行動様式というのがあり、民間には民間の行動様式があり、住民にもあり、こういったものを自主自立の中でやっていくとすれば、どこかで変えていかなくてはなりません。どこかがトリガーになって動いていってもらわなくてはいけない。そういう部分はどこが、どうやって作り上げていったらよいのか、動いていったらよいのか、あるいは、行政の面からいって、こういうところでは行政自ら動いていくことが必要である、ということにお考えがあればお聞かせ頂きたいのと、もう一点はもっとストレートなのですが、今申し上げた、芽室にとってのブランドとは何だと思われますか?

【中村】
私は移動職の仕事なのですが、9年前ほどから芽室に住んでいます。今も勤務地は隣の音更町です。どうして住むことになったのかというのは、まさにブランドであった。それは形のあるものではないかもしれない、それは野菜とか芋とかそういうものではなくて、大変住みやすい雰囲気、空気、勢いというのを感じたのです。音更に住んでも良かったし、前は広尾にもいたし、その前は別海にもいたし、いろいろ住む条件はあったのですが、ここを選んだというのは、私の芽室町に対するブランドがあったから、それは形ではなくて、メンタルな面を含めてあったからだと思っています。でも形あるものも欲しいですね。いろんな地域、住民、行政というのは中々一つになるのは難しいですね。それぞれ勝手に動いていたから、もしかしたら機能していたのではないか。これをまとめようと思ったら中々機能しないのかもしれませんね。しかし、これからの自主自立の条件には合わないのかなと思っています。ただ、どうするのかということですね。やっぱり口を閉ざしていたものを、話そうとかですね、言葉として投げかけていかないと、例えば行政の方々に私はこうやったから、行政の方々、ここはお願いします。私達はこうやってやりますから、行政の方々頑張って国に物申しても良いですよ、そんなことも必要なのかな、そんなことは意外と言ってもいなかったし、言われてもいなかったのかな、ただ文句ばっかり言って、嫌な雰囲気を感じていたのではないか。全然答えになっていません、すいません。

【宮脇】ありがとうございます。コーディネーターというのは一番楽でして、自分がわからないことはみんなに聞けばよいという非常に楽な存在であると思うのですけども、ごめんなさい。同じような質問なのですが、これは自主自立という面では非常に重要な部分になるので、漠然としたことでも結構ですので、お聞かせ頂きたいと思うのですが。明瀬さんどう思われますか。芽室というブランドというか、どういう面でも結構なのですが、自主自立するときに、ここは他の地域と間で差別化できる、ここだけは最も重視したいというところがあれば、お聞かせ頂きたい。

【明瀬】今、中村委員がおっしゃいましたように、私は芽室町で生まれ育って今日なのですが、他所にいたことがないから、特にそう思うのでしょうけども、今現在、私自身は、住みやすい芽室町が何よりブランドだと思っております。住みやすかろうと、なかろうと、生涯芽室町の人間としていたいわけですから、これから、行政にどうして頂きたいとか、そういった注文を自立していくには、今までのようなわがままは絶対に言えないと思っております。どうするのかは、自分自身が人を頼らず、今までの依存心を捨てて、改めて自分自身が自立していくのだという、最も大切な精神を持っていくべきではないかと思いますけれども、難しくて全部答えられません、すいません。

【宮脇】ありがとうございました。尾藤さんいかがですか?

【尾藤】私が感じるブランドというのは、それはヴィトンのバックのような物質的なものではなくて、私は40年しかこのまちで生きていませんけども、いつも他所にいって帰ってきて、安心するのがこの芽室町で、去年JCの会長をやらせてもらって、農を機軸としたまちづくりをやってくれと、メンバーに頼んだわけです。何で農かというと、芽室は基幹産業が農業で200億を超える売上高を上げている。十勝全体では2300億ぐらいなのです。その10分の1を芽室で上げていています。また、ポジション的に十勝の中心は帯広なのですが、その隣まちは芽室町なのです。偶然かもしれませんが、ポジション的には非常に恵まれた地である。十勝川の流域に沿っていて、土地条件も非常に良くて、気候条件も山に近すぎず、平野の方の中心部にいるわけですから、一部山間部は気候違いますけども、大まかに言うと、非常に恵まれた地域である。そういうことが総合的に醸し出すブランドというのでしょうか、住みやすさというのがこの芽室町なのだろうと思います。住んでる方も非常におおらかな人が多いし、おおらかなところから言うと、なんとかなるさと思っている人も多くいるのですけど。でも全体的に言うと住みやすいイメージというのはそういうポジション、十勝の中の地域性、位置、気候、それからそこで発達した基幹産業の農業であったり、それを基軸にして関連の産業も今芽室町に集結していろんなものを作り上げている、そういうところからいろんなものが波及して住みやすい、それがある意味、表現で言うと、ブランドなのかなという気がします。

【宮脇】この点、町長はどうお考えでしょうか。自主自立という事になれば、やはりそれを支えていくブランドという言葉が最適化はわかりませんが、柱というような、そういったものが必要になってくると思うのですけども、それはどういう点に考えているでしょうか?

【町長】先ほど先生がおっしゃった経済的自立の一番重要なことだと思うのですけども、21世紀というのは食料とエネルギーの時代だ。そういう中で十勝が一番北海道の中でも素晴らしい突出した農業主要地帯になっているわけで、その中でも更に芽室町は中央部で気象条件も、土地条件も、交通条件も素晴らしい地域にありまして、農業の産出額は市町村単位では全道で3位であります。そして関連産業は、非常に集積をしております。従って、雇用の場にも非常に大きく寄与して頂いておりますし、最近、経済が厳しい中で税収も落ち込んでいる中で、農業者の皆さんと農業関連産業の税収は堅調に推移をして、この2年間は伸びているわけであります。長い目で見れば、農業も非常に厳しい状況でありますけども、芽室の農畜産物というのはいずれも自給率というのは非常に低いのですね。国全体としても40%の自給率ですけども、そういう低い自給率を国民の期待に応えて、生産をしている。しかもクリーンなイメージというのが十勝は全道の中でもあるわけで、その中で素晴らしい農家の皆さんの頑張りと、関係機関の指導もありますし、非常にレベルの高い農業者がたくさん、しかも今後のまちを担っていく農業後継者が毎年15人から20人新規参入しております、これは全道一位であります。農家の花嫁不足も言われておりますけども、毎年だいたい15人から20人結婚されているのも町村単位で言えば、全道一位であります。従いまして、私はそうした面では、帯広というのが隣にあるということがありまして、企業が進出頂く場合には良質な若い労働者を確保できるというような有利な条件もありますし、交通の要所としても、素晴らしいインターチェンジが2つもあるというのは、全道の市町村の中でも恵まれている。芽室を中心に北見、網走、釧路、十勝、道央圏の結節点にもなっておりますし、国立と道立の農業試験場があって、若い農業後継者の皆さんも新しい試験研究マンと交流をしながら、全国に誇るような技術開発もやっております。そうした面では、私は芽室は今までも農業を中心として関連産業で発展してきたまちでありますし、将来もこの位置付けは変わらない。しかも、厳しい中ではありますけども、全道の中では一番発展の可能性のあるまちだし、地理的にもそういう実績を上げていると思っているわけであります。
もう一つは、芽室町は健康長寿のまちとしても高い評価を頂いているわけであります。これから益々高齢化が進んでいきます。芽室町も国の人口問題研究所の試算では2030年には16,500人になるとしております。全道で人口が増えるのは市が5つと、町が5ですが、芽室は残念ながら少し下がるであろうと、そんな見通しの中でこれからはやはり健康長寿を目指したまちづくりをしていきたい。それで、保健医療福祉も非常に十勝管内どこにも負けない素晴らしい体制が整備されていると思います。特に公立芽室病院というのは全道的にも高い評価を頂いております。中々経営的にも厳しい状況ですけども、皆さん頑張っておりますし、そういう状況であります。そうしたことを中心に農業条件、交通条件、そして健康長寿、福祉医療条件を充実して地域内循環で多くの関連企業も進出を頂いておりますから、雇用の面でも昼間人口105%、これは音更、幕別は人口が増えていますけども、95%であり、働くは所がないのです。そういう面でもそうした有利な条件を生かしてまちづくりを進めていけば、決して安閑とはしておられませんけども、住民の皆さんの意識もかなり変わってきた、そういう面ではお互いに力を合わせてやっていけば、そういう方向を目指していきたいと、私は現時点では考えています。

【宮脇】ありがとうございます。町長、一点付け加えて、これからの議論のためにお聞かせ頂きたいのですが、自主自立という方向性の中で、町長として一番乗り越えなくてはならない課題とは何だと思われていますか?

【町長】先ほど先生もおっしゃられたし、私も思っているのは、お任せ民主主義ではいけない。町民の皆さんも一丸となって、我々の出来る事は我々もやります。職員の意識改革も必要ですし、町民の皆さんの意識改革も必要です。意識改革と合わせて、意識覚醒というのが必要だと思います。自治の原点は何かというと、自ら出来ることは自ら治めるということです。町民の皆さんとそういう重要な事を共有してお互いに力を合わせて頑張っていくことだと思っています。

【宮脇】ありがとうございます。中村さん、今回の自主自立ということでいろいろ議論されていて、同じ質問になってしまうのですが、自主自立に向かって一番壁だと思われている事は何ですか?

【中村】町長がおっしゃった通りなのですけど、私は、先ほどこの町民検討会を終えてというところでも言いましたけども、やっぱりお任せ主義であり、関心があるようでないといった部分がネックになっていると自分自身は思っています。それでそれぞれの意識改革の部分では、私たちもそうですし、役場の方々も意識改革をしろと言うのですけども、「やれ」「はい、やります」というのではなくて、出来るものなら、自分で自己改革しながら、結果が出ればベストだと思っています。誰でも「やれ」と言われたら腹が立ちますし、「私はこんな考え持っているから」と喧嘩腰になってくると思うのですけども、それぞれが今進もうとしている事に対して、「変えなくてはいけないのだ」「変わらなくてはいけないのだ」という事をそれぞれが、それぞれの時間の中で判断していく、すごく抽象的なことなのですけども、先に進もうとする意識改革という気持ちが、今まさに必要ではないか。予想して、恐らくこうであろうからという、先取りした意識改革も必要ではないかと思っています。

【宮脇】同じ事で尾藤さんはどうお考えになっていますか?

【尾藤】壁という面で言うと、多分自分たちが気がついていないのですけど、住民は「お任せしよう、お任せする」というのが癖になっていると思うのです。役場、行政側、理事者側、それから議員の皆さんは「任せておけ」というのを癖として、この癖というのは、ずっと昔で言えば、御上とか殿様がいて、その言うとおりということなのですけど、戦後の高度経済成長をするためには、ある意味官僚が中心となっている機構というのは、非常に良かった。良かった機能だったのですが、そういう志を持った人たちがいる時というのは、自分達の役割がわかって動いていれば、良い結果を生むのですが、それを忘れた時が怖い。今は住民も官僚の人たちもそれを忘れてしまっている。例えば、具体的な例になるかわかりませんが、この間、入試が終わった後のインタビューで、「これからあなたは何をするのですか」と聞くと、「公務員」と返すインタビューがあり、あれを聞いて、きっと、あの人たちは親に「変な企業に入るより公務員になった方が安定しているのだ」と多分教えられているのですね。その中でたぶん公務員になって、「こういう仕事をすると国のためになるよ、人のためになるよ」というのは、多分親は教えていないと思うのです。安定できるからなりなさいと言って、殆どの方は安定を求めて公務員を目指す。こういう公務員を目指すというのは安定があるからという思いだけでなっている人がいると、やはり行政マンとしての役割、立場がわからなくなってきてしまう。何のために自分達はやっているのか。
そして、住民も今まではずっと、その人たちにお任せしておけばよかった。右肩上がりの時はお任せしておけばよかったという癖を、今財政も困窮している中で、その癖をはずすのに、すごく時間がかかるだろう、自分も含めて、これが壁なのであろうな思います。さっき言った、「備えよ常に」という話から言うと、自分たちがこの壁を壁であるという事に気づかなくてはいけない。

【宮脇】明瀬さんは、この壁について何かお考えございますでしょうか?

【明瀬】今、尾藤委員が言いましたように、癖というのか、そういう環境の中にどっぷり浸かりきってしまって、私を始め、住民の皆さんも今日を迎えているわけです。この壁を破るためにはどうしたら良いのか。検討委員会でもいろいろ議論しましたし、また、町長さんの方からも、合併ではなくて、自立というようなご意見が出ました。その時から既に、もうこれから壁を破っていかなくてはならないという事は決まっているわけですから、冒頭に申しましましたように、こういった理解をしてもらうためには、説明会とか懇談会とかは限られた人しか来ないと私は思っています。原点に戻って、これからは一人一人が、住民の皆さんもいろんなところでコミュニケーションを待つだけではなくて、住民の皆さんの方からもどんどんと要望をして頂いた中で、今日は随分たくさんいらしているのですけども、いらしている方にはとても失礼なのですが、随分行政の皆さんはたくさん参加して頂いておりまして、もっと住民の皆さんも今日出席して頂ければ、なお一層今日のシンポジウムも、これからの壁を破っていくにあたっても、ご理解を頂きながら頑張って頂けるのではと思うのです。それで、これからは本当に人それぞれが、決して人事ではなくて、全て自分の事として受け止めて頂きながら、皆さんは精一杯の我慢、今どれだけ我慢すればよいのかというのは、きっとわかってらっしゃらないと思うのですけども、私がそれ相当の我慢をする、極端に数字で言えば、今までは2千円払った税金が4千円になるのだよ、とか4千円が5千円になるのだよ、とか。中々その具体的な説明は出来ないまでも、してないまでも、恐らくこれからはそういうふうになるであろう、という考えを持っております。もっと住民の皆さんとも議論の場をつくっていかなければ、中々この壁は破っていけないし、癖もとれていかないように思います。以上です。

【宮脇】ありがとうございます。この問題は最後にしたいのですが、町長、先ほどお任せ民主主義ということで、これを乗り越えていかなくてはいけないということで、お三方にお聞きしたのですけども、町長として、お任せ民主主義を乗り越えていく時の引き金になる部分をどういうふうにお考えになられているのかということと、それから一方では、財政問題が中心ではないとは言え、財政の悪化というのは恐らくこれから早く起こってきてしまう。そうすると、今までお話がありましたような事をやっていこうとすると、そのスピードと今までのような時間かけてという事が、中々両立をしないといったような側面が出てきてしまい兼ねないですけども、それをどうやって克服していくのか。これからお取り組みになられるのか。その辺お考えがあればお伺いしたいのですが。

【町長】住民の皆さんの多くは、「まちは財政的に大変だ」と言っても、民間会社ならば、倒産で空中分解するのですけども、役場は恐らくなくならないだろうという認識を持っている方が多いだろう。もう一つ、国からの交付税が減ってきたと町は言っているけども、我々のサービス自体は落ちていないのでは、という二つの実感をされていて、あまりよくわからないから、議会と役場に任せておけばよいのではないかと、そういう認識をされている方が、ここに居られる方は関心もたれてきているから違いますが、率直に申し上げて、一般的には多いだろう。それはいけないし、行政としても反省しなくてはならないし、役場としても大変な状況を、行政情報を嘘隠しなく、町民の皆さんに公開をする。それに対して住民の皆さんからもいろんな提案等も率直に受け止めるということをまずしていく必要がある。まちの交付税が減ったと言いますけども、平成10年、11年は5556億円、国から自由に使える、ひも付きではないお金がきている。15年は42億円になりました。今年はおそらく37億円ぐらいになるだろうと予算を組みました。そうすると、約20億円下がっている。20億円下がるという事は、町民の皆さんの税金は20億円頂いている。町民の皆さんの税金は、言葉を変えればゼロになったと同じです。それだけ大変なんのです。使用料を見直したり、有料化したら、住民の皆さんは「我々は税金を払っているのに、なぜ値上げするのか、お年寄りの使用料を減免していたのを見直すのはおかしいのではないか」という意見をたくさん聞きます。それは100億円の一般会計予算の中で、町民の皆さんは税金20億円を払いますから、あと20億円が使用料や手数料で4割なのです。あとの5割は、国の交付税だとか補助金で約50億円。それから道庁から約10億円の補助金が来てまちの財政なのです。我々の情報提供の仕方も不足かもしれませんが、まずそういう実態をお知らせする。それから、時代は変わって、かつては、尾藤さんがおっしゃられたように、中央集権時代から地方分権時代で、これからは地域で考えなくてはならない。地域の行政ばかりではなくて、地域の住民の皆さんと共に、責任は行政だけが負うのではなくて、その代わり行政は情報を徹底して提供して、皆さんの要望を聞きながら、お互いに情報交換して、血を出し、汗を流すということを役場自ら率先してその事を示していかないと、住民の皆さんから共感は得られないだろうと思っております。今後とも小さな役場、スリム化した役場、行政ということも目指していくことも大変重要である。それを見て「役場も苦労しているのだな」というのを住民の皆さんにもご理解頂かなければ、まちづくりに対して我々も我慢するというような協力が中々得られない。情報の共有化、率先して行政もスリム化に向けて努力をするという事が必要ではないかというふうに考えています。

【宮脇】ありがとうございます。今の点の付け加え的にちょっと教えて頂きたいのですが、コストを削減するというのは、行政、財政にとってもそうなのですけども、人間に例えると体重が減ってスリム化するのですけども、スリム化しても体質が変わっていないと、結局同じなのですね。同じというか、もっと不幸な結果を起こす場合があるわけです。スリム化と同時に、恐らく体質改善が必要で、そこで今求められているのが、「あれも、これも」という時代ではなくなっていて、従ってどれかを選択していかなくてはいけません。選択する時の物差しというのが中々つくれないのです。先ほどはブランドという言葉で少し整理してきたのですけども、町長、教えて頂ける範囲内で結構なのですが、「あれも、これも」という場合に、どうしてもメリハリをつけていかなくてはならないのですけども、その辺の何か考え方はお持ちでありますか?

【町長】「あれも、これも」の選択は、例として、町民の皆さんに検討頂いているレポートの中にもきちっと位置付けようとしています。それは全てではなく、一般会計に関する事項ですけども。その事は行政だけがつくると、賛同は得られないのですけども、今回は町民の皆さんからの「あれは見直した方が良いのではないか、これは企業にお願いするだとか、自ら地域でやっていく」という積極的な提案を頂きました。それを行政が先に「これは止める」と言うと中々合意は得られないので、従って今後も自主自立の推進プランをつくっていく場合も、今の町民検討会議をベースとしてつくりますけども、それはあくまでも双方向でキャッチボールをしながらまとめていかないと、それは絵に描いたもちになるだろうと考えています。その事に気配りをしていく必要があると思っております。

【宮脇】ありがとうございます。そこで全体のフロアーからのご質問を頂く前に、少し整理をしたいのですけども、今まで協働の点ですとか、あるいは地域内の経済の体力を強くするためのブランド化の問題ですとか、あるいは今お話がありましたように、財政をめぐる問題ですとか、こういうことを少し議論してきたわけですけども、これからの芽室町が目指す方向性という事なのですが、これは抽象的な方向性、「こういった方向が良いのでは」というお話でも結構ですので、「具体的にこういったところにポイントを置くべきではないか」というようなところがあれば、それもお聞かせ頂きたいのですが、それが一点です。それから、今回どうしても大きなポイントになるのは、そういう絵を描いても、どうやって住民達と一体化をして議論をしていくのかというところが、これは芽室町だけではなくて、どこにいってもそれは大きな壁になるのです。例えば、今札幌市は住民参加という事を目指しているのですけど、よく見てみると、先ほどの基調講演でご紹介した「縦型ネットワーク」の住民参加なのです。「横型ネットワーク」ではなくて、「縦型ネットワーク」ですから、そこに参加されていない住民の方が非常に多くなるということがあるわけです。これでやっていきますと、「横型ネットワーク」のメリットが出てこない中で、非常に限られた議論になってしまう。白老町は全ての人とは言えないが、多くの事が住民主体のNPO的なところで整理をして動いていこうというとする、それも一つのNPOではなくて、たくさんのNPOが重なり合う中でやっていっているという部分があるわけです。横型ネットワークでは中々これだという部分が出てこない。それは致し方ないと思うのですけども、住民の中で広く議論をしていくため、情報共有していくための、何か提案があればお聞かせ頂きたい。その方向性と、平たく言うとこれからの議論の進め方をお聞かせ頂く。それともう一つは、区切りとして、言い残した点があればご発言頂きたいと思うのですけども、まず中村さんの方からお願いできるでしょうか。

【中村】芽室ではゴミ問題です。中札内とか芽室とか音更も起きだしましたけども、今までお金がかからなかったことが、かかってくるというのは、相当説得しないと動いていかないと思うのです。だからゴミのことにしても、ある程度準備期間を設けて、周知して、情報提供して、芽室は推進してきたと思います。一時はゴミの集積場でダメシールが貼られている状況があったり、そういうのを見ると寂しく思ったのですけど、環境問題とか資源のこととか、町民の方の心の中にもあるのですね。だから、だんだんとダメシールもなくなってきたし、ゴミはこの袋に入れて、資源はこうするというのが浸透してきた。このこと一つとっても、大事な自主自立の要素だと思っています。イコール不法投棄という問題も出てくるのでしょうけど。言い忘れた事として、先ほどお話したように、私はいろんな町に行きました。今は音更に勤め、芽室に住んでいます。まちの形を見ると、音更というのは本町があって、木野というのがあって、温泉があって、大きな3つのパターン。芽室は今のところそういうまちの形になっていない。だから芽室というのは共同体として動けるのではないかと、ちょっと甘いかもしれませんが、そういうふうに思っています。だから、自立問題は真剣に話していけば、何とかなる、皆さん一緒に話しませんかというのが出来るのではないかと若干思いました。私は去年ぐらいから、「オカリナ」という楽器を吹くサークルがあって、参加させて頂いています。女性、男性も関係なく、いろんな年齢の方々がいて、同じ趣味でサークルに入っていると、いろんな情報を得る事ができて、そういうふうな関わり方というのも私は勉強になっています。この間、特別養護老人ホームにサークルでボランティアに行くことになり、私も参加して吹かせてもらいましたけども、私たちより特別養護老人ホームの方々が「どうもありがとう、これからしっかり生きて下さい」と言われたり、そんな触れ合いが根底に必要だと思っています。上手く言えませんけども、そんな事を通じて、一つ一つ参加していければ良いと思っています。

【宮脇】ありがとうございます。それでは尾藤さんお願いします。

【尾藤】これからの芽室町の目指す方向性ということで、私が個人的に思うのは、芽室は歴史的に北海道の中でどのように誕生してきたかということを、もう一度考え直すと、やはり農業であった。私も農業をやっていますから、農業を守ってくれという話ではなく、これを利用して芽室らしさを創設できないかというふうに一番最初に思います。農業というのは、決して農業者だけではなくて、消費者に安らぎとか心の豊かさを与えたりできるのです。私の友人が芽室を訪れたときのことですが、「芽室ってよいですね」と言うので、「何が良いのですか」と率直に聞くと、「この雰囲気が良いのです。本州にはない雰囲気だ。空港に降りたとたんに、ここはもう日本ではなく、外国のイメージなのですよ」と言われました。その時には、そんなイメージがあるわけないと思うのですけど、「まず何の雰囲気が違うのですか」と聞くと「瓦屋根がない」と。それだけで、日本ではないというのはどうかも思いますけども、やはり来たときに雄大な、広大な平野と、その遠くに山が見えて、これは観光資源として生かすべきであると、よくご提案を頂くのですね。でも地元に住んでいる人間はそれをどうやって生かそうかというときに、まだまだ迷いがあって、自分たちが地元の特性を生かせていないところがたくさんあるので、やはりいろんな人とコミュニケーションをたくさんとって、自分達のまちをどうすべきかという事をやっていくというのが一つだと思います。それから、コストの面で言うと、簡単に言うと、いろんな会社が「こんなに我が会社は経済が回復しました、コスト削減、人件費削減で、どんどんリストラをしました」というのは、そんなに威張れる話なのかと私はいつも思うのですが、行政マンを減らすという話にしても、行政マンがどういう事をしなければいけないのかという話もありますけども、認識を持って頂いて、まちづくりに貢献できるという自分達の考えを持って頂ければ、そんなに首を切らなくても良いと思います。切れませんけども、いなくなった人の補充をどのようにしていくかという話になると思うのですけども、それは論議を重ねて、それぞれの役割を理解すれば、そのままいても充分良いと思います。それから、まちというのは単に存在するだけではなくて、そのまちに住んでいて、このまちは生き生きとして住んでいられるということが印象付けられないと、まちの存在意義というのはないと思います。その中に、手法の一つとして、私は行政区で南が丘に住んでいるのですが、そこには小さいコミュニティーがあります。もう一つは神関山という小さい農事組合があるのですけども、その中で一緒にみんなとやっていく中で、自分はどんな役割を果たせるか、みんなのために何が出来るかということを考えると、小さければ小さいコミュニティーほど、そのコミュニティーというのは上手くやっていける。そのことによって自分が、人間というのはDNAの中にたぶん組み込まれているのだと思いますが、お節介というか人のためにやると、非常に楽しくてうれしい。そういう気持ちになるようなコミュニティー、大きなコミュニティーではなくて、小さなコミュニティーでコミュニケーションをとりながら、心を高揚させていくような事をしていくと、自然と芽室のまちの存在意義や芽室らしさというのは、もっとはっきりしてくると思っています。

【宮脇】ありがとうございました。それでは明瀬さんお願いします。

【明瀬】やっぱりこれからということになりますと、我々企業は良い時も悪い時も、例えば社長が「右に行くぞ」と言えば右に、「左にいくぞ」と言えば左に、無理について来いという形ではなくて、そういう形で私ども企業は会社を経営しているのですが、これからは自立の道しかないとすれば、町長さんと職員の皆さんが意思の疎通をしっかり持って、一体となり、そして議会の皆さんも議決権があるのですから、この時ばかりは、しっかりと議会も検討をもっとして頂いて、特に特別委員会の皆さんは11箇所も研修に行ってきたという話しも聞いているのですが、そういったところもどんどん参考に、私ども住民に対して諸問題を発信して頂く、また、こちらの方からも出来るだけ発信に対して応えていくという形をとりながら、これからはやっていったらどうかと考えます。少なくとも、私どもの会社では、決して社長だからといって、社長だけの責任ではないと私は申し上げるのですけども、行政だって、町長さんお一人の責任とかお力ではどうになるものでもありませんので、そうした時に職員の皆さんと議員の皆さんがきちんとした一体化を持って、これから自立に向けた議論を進めて頂ければ良い方向に向かっていくのではと考えています。以上です。

【宮脇】ありがとうございました。それでは最後に町長お願いいたします。

【町長】芽室町の目指す方向は先ほど申し上げた通りでございます。その他、ちょっと古い資料ですが、1996年に十勝20カ市町村の3000人を対象として、十勝の人々の暮し意識調査というのをやったのです。その中で、総合得点は芽室町がダントツ良かったのです。芽室に住んでいる方は芽室の良さというのは、案外わからないのです。他から移り住んだ人、あるいは他のまちから来た人は、芽室は素晴らしいと。だから新しく東芽室の開発もやっていますけども、最近売れているのは、7割は帯広市から来ているのです。芽室のよさを再認識して、「こんな素晴らしいまちだから、是非みんな、少々の不自由さも我慢して、頑張ろうじゃないか」という意識が高まってくるのではないかと思っております。その事は行政としても情報公開して、「こんな素晴らしいまちなのです。こういうまちづくりを目指すのですよ」という、今後積極的に情報公開を双方向でやって、情報を共有化していく必要があると思います。それから、議会とも一体化した議論はなかなかしずらいのではというお話がありましたけど、これは先日も議会で議決を頂ましたけども、芽室の住民参加まちづくり条例と男女共同参画推進条例という議決を頂ました。これを更に中身のあるように、実際に機能するような具体的な計画をつくって、町民の皆さんからもパブリックコメント、まちのいろんな計画というのはすべて案の段階で公開して、そしてプロジェクトにご意見を頂くというのをもっともっとやっていく必要があるだろうと思っております。それから、芽室町の高齢者には、優秀な人材がたくさんいると思います。高齢者の役割、女性のまちづくりの参加というのは非常に重要だと思うのです。今でも65歳以上の方が、3700人、人口の20%います。その内介護保険の認定を受けている方が555人、15%です。残りの85%は元気老人、まだまだ高齢者の豊かな経験を体力に応じたボランティア等の仕事を通じて、まちづくりに参加していただけるであろうと。65歳以上が2030年には32%に5200人になります。60歳以上の人は6500人になる。その人を支える若い人は少なくなるわけですから、「私は苦労してきたから、あとは若い者がやってくれ」というのが通用する時代ではない。ですから豊かな知識を生かす事が、健康づくりにもなりますし、生きがいにもなりますし、まちづくりにも非常に大きな役割を果たして頂く必要がある。その役割を是非ご理解頂けるよう、助け合う豊かな長寿社会を目指していく、農業と並んで2本柱と言うのは、私はそういう事ではないかというふうに考えております。以上です。

【宮脇】ありがとうございました。それでは残り時間も少なくなりましたので、これまでの議論、それ以外で自主自立、あるいは協働といったことにつきまして、フロアーの方からご質問、ご意見等賜れればと思います。挙手をして頂ければマイクをお持ちすることになると思いますので、宜しくお願いいたします。

【フロアー】私は町民検討委員会のメンバーで、質問をしたいのですが、検討会議ではまちづくりの理念と、どちらかというと町の行政の見直しという点が重点で、町全体の経済社会の流れの検討と言うのはやっていないのです。そういう中で、昔からよく、地方自治体の行政は3割自治とか言われていますが、私たちは町の行政の見直しをやる場合も、枠内にとどまって、後の7割というのは私たちの自主自立の検討が行き届かないという恐れがあるのではないかと思うのですけども、その点について、先生のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

【宮脇】今の点ですけども、財政的に3割しか自主的に使えるところがないので、3割自治といったような言葉が言われておりまして、後の7割というは国が決めた通りに使わなくてはならないので、中々自立的には使えませんという意味でよく言われるわけでございます。今こういった仕組というのは地方分権という流れの中で、やはり3割ではなくて、少なくとも5割とか6割ぐらいまで増やしていきましょうという議論がされていて、勿論これがそういった成果を生み出せるかどうかということはまだまだ未知数ですけども、こういう自主的な部分というのは増やしていきましょう、という国全体の議論が今されているというということは言えると思います。ただ、その時に、例えば、新しい税源というのですけども、国でとっていたものを芽室町で新しくどんどんとってもよいですよ、という制度ができたとしても、芽室町自身に経済的な体力がなければ、やはり確保できる税金というのは限られてきます。ですから、地方分権という取り組みと、先ほど町長も言われていましたけども、地域内経済を強めていくという取り組みは両輪でやっていきませんと、制度を変えても中々そのプラス面を生かしていけないという問題点が一つあります。
もう一点は、3割とか7割というのは、いわゆるお金としての財政の問題領域であります。3割のところしか自主的に使えない部分であったとしても、お金を使わないで自治というものを実現できる、あるいは、帯広でもやりましたけども、地域に地方債というのを引き受けてもらうというような、いろんなやり方があります。そういうもので、国と地方の制度以外で、自分達の自由度を上げていきましょうという方法も、それによって自由度が7割とか8割に上がるわけではありませんけども、そういう取組みを行える枠組みもありますということです。ですから絶対的に3割7割ということで、制約を持つ必要性はないと思いますけども、そこを乗り越えていく工夫というのが必要になりますといったところかと思います。以上です。その他ございますでしょうか?

【フロアー】先生の方にお聞きしたいのですが、私は明日先生のセミナーを聞かせて頂きますけども、今先生の方で道州制特区というのをやっていると思うのです。これから道州制という部分が非常出でてくると思うのですが、それを踏まえて、この芽室町がこのまま自主自立を歩むとした時に、この規模で道州制特区の方に手を挙げた時に、芽室町が対応できると思われるか、挙げるためにはどうしたら良いか?というのをお聞きしたいのですが。

【宮脇】手を挙げるというのは、誰が挙げるのですか?

【フロアー】芽室町が特区に対して、この地区で参加する時に、芽室町の規模で道州制というのがまかなえるのか?それとも合併をして規模を大きくして道州制というのを視野に入れた方が良いのか?

【宮脇】基本的には芽室町の規模と道州制の問題は完全にリンクしないと思います。道州制の問題を突き詰めていった時に、道州制というのは一方で道内分権を動かしていくツールであるということなのです。道州制だけをやって、今までと同じやり方をすれば、札幌一局集中です。ですからそれによって、芽室町が生きていけるか?というご質問であったとすれば、芽室町以外の地域でも非常に苦しいことになってしまいます。道州制というのは、今までよりも北海道がもっと自由にいろんなことを考えられる。考えられる分だけ、道内における各地域の基礎自治体に対するいろいろな分権をというのをしていきましょうという考え方です。その時に、どういうものを分権するのか。単にお金とか権限とかだけではなくて、例えば先ほどブランドという議論がありましたけども、農業を徹底的にこの地域として育てていくのだ、その為にその時いろいろ考えていくとすると、制約というものがあると思うのです。農地の問題とかあると思います。農業だけではなくて、農業関係の補助金とかいろんな使い勝手の悪いものがあると思います。そういうものは道州制の中で、今までは国が変えなければできなかったものが、北海道庁という単位でそれを見直すという事が出来るかもしれません。そうすれば、この地域の最も良い資源を引き出すためには、この地域においては、こういうふうに農地とか農業のあり方の制度を変えてほしい、あるいは、補助金のあり方をこう変えることによって、そこを引き出せるのだということを、もっと身近なところで議論できるようにするというのが、道州制の議論であり、そのスタートラインが道州制特区という議論であります。ですからこれはこれから3年あるいはもっと長いスパンでやっていくわけで、従って道州制特区の問題と芽室町単位の問題は、それを直接つなげてどうこうという議論をすることは今のところまだ出来ないのですが、芽室町が自分達のブランドをきちっと引き出していくためには、こういった道州制特区の問題も市町村ベースできちっと議論できるような、情報共有と議論の場というのをつくっていかなければいけないと思います。今はそれがないと思います。道州制の議論をして良くわかったのですが、国の認識と道庁の認識と基礎自治体の地域のニーズというのは違うという事です。ですから基礎自治体でこうやりたいということについて、必ずしも道や国というところでは、それを適切に受け止められない、あるいは、受け止めるという意識がまだ出来ていない部分があると思います。これは故意ではなくて、認識していないという部分があるわけです。従って、もっとそういうものを地域に身近に展開していこうといった制度設計の努力であるということか思います。

【フロアー】先ほど自立の上での選択の物差しという問題が出ましたけども、確かに行政と企業、住民のネットワークというのが大事になっていく中で、それぞれ行政は行政としての役割、住民は住民としての役割、企業は企業としての社会的役割があると思うのです。しかし、我々は行政といろんな事を話あったりした場合でも、始めは非常に良い返事を頂くわけですが、だんだん詰まってくると、通達はこうなっていて、法律はこうなっているというのが出てくるわけです。そうなるとせっかく私たちが自主自立への方策を論議しても壁が出てくると思うのです。それぞれの現実の役割の問題をどういうふうに整合していくかいうことについて、どのようにお考えになっているでしょうか?

【宮脇】今の問題は壁にならないと思います。それを壁にするような行政であれば、与えられる自治だと思います。法律や条令ということについても、今はきちっと主張して見直しについて議論していく流れというのがあります。これは市町村、基礎自治体であったとしてもきちっとやっていかなければいけないし、恐らく住民の皆さんがそのことに対してきちっとした意識を持って頂ければ、行政の方でもそれを受け止めてやっていくということが必要になると思います。先ほどからあります道州制の話しの中では、そういうような事を動かしていくというのが必要になってくると思います。おっしゃる事はその通りで、ネットワーク論というのは行政と住民と企業との関係をつくっていこうとすると、価値観というのが一番重要になるのです。今までは簡単ですよね。公共サービスをお願いするのは、「行政だからだ」の一言で終わったのです。しかし、これから公共サービスは住民もやらなければならない。そうすると公共サービスという価値観をどう形成しますかという価値観が必要になってくる。その時に今までの法律とか規則とかの枠組みの中でとどまるのであれば、やはり行政は行政であり、住民は住民であり、企業は企業であるというところで、終息する以外なくなってしまうのですね。ですから法令という制約があるのならば、なぜその法令というものを変える事によって、どういうことが出来るのかというのをきちっと主張していくという体力を持ち、与えられる自治ということから、脱却をすることだと思います。最後に、まとめたいと思うのですが、これからの問題というのは、今までは与えられる自治です。国によって制度があって、それによって自治を組んできた。これからは自分達で地域の自治というものをつくり出していく努力が必要になります。特に自主自立というとき、与えられた自主自立であれば、非常に弱いということです。与えられた自主自立ではなくて、自分達で乗り越えていく自主自立でなければ、また、同じような与えられた自治になってしまいます。ただ、今までと違うところは、それにチャレンジできる環境整備がなされていますから、そういうものに地域全体として挑戦していくことが必要であろうと思います。答えとしては不充分かもしれませんが、頂いた時間を越えておりますので、質問もこれで終わらさせて頂きたいと思います。ありがとうございました。それでは司会の方に戻したいと思います。